Frege

 Jena, 1908年7月31日

ささいなことを一つ。 以下の論文に面白いものが載っている。 Gottfried Gabriel, Karlheinz Hülser, and Sven Schlotter “Zur Miete bei Frege – Rudolf Hirzel und die Rezeption der stoischen Logik und Semantik in Jena,” in: History and Philosophy …

 Frege's Consistency Proof in Grundgesetze, I, §31

個人的に意外に感じたことを以下に記します。とても長いです。 例によって、哲学的考察を展開しているというものではありません。 私自身の見解は、まったく表明しておりません*1 また、以下の日記の内容は、Frege-Hilbert Controversy と深い関係があります…

 Is Frege's horizontal the ultimate source of inconsistency of his Grundgesetze?

以下は単なるメモです。 Aczel explicitly says that the horizontal “is responsible for Russell's paradox” (1989[sic] [“The Structure of the Formal Language of Frege's Grundgesetze”], 17) and “gives an internal definition of the collection of…

 入手文献: Frege は1970年代後半から1980年代初頭にかけて発見された。

Christian Thiel “Zur Inkonsistenz der Fregeschen Mengenlehre,” in sein hg., Frege und die moderne Grundlagenforschung: Symposium, gehalten in Bad Homburg im Dezember 1973, Verlag Anton Hain, Studien zur Wissenschaftstheorie, Bd. 9, 1975 こ…

 Why Did Frege take his Wertverlauf as logical?

Why Did Frege take his Wertverlauf as logical?Professor Christian Thiel says*1: Frege concluded that with theorem χ*2 “the extension of the concept in the trasitional sense has been abolished” (GGA II, 260), and that “the usual understandi…

 Frege's Book in Johns Hopkins University Library and Peirce's Offprint in the University of Jena Library

以下の文献を読んだ。 Benjamin S. Hawkins “Peirce and Frege: A Question Unanswered,” in: Modern Logic, vol. 3, no. 4, 1993 Peirce は Frege の著作を読んだことがあるのか、そして Frege は Peirce の著作を読んだことがあるのか、この二つの疑問につ…

 Memo: 文の Sinn とはその文の証明であるということと、Curry-Howard Isomorphism.

2008年12月17日の日記に‘Frege and the Proof-Conditional Semantics’と題して、 金子洋之先生が Frege に対し‘Proof-Conditional Semantics’とでも言うべき semantics の考案を帰属されておられることを記した。 そこでは、Frege にとって文の Sinn とは、…

 Professor Visser Speaks of Frege's Philosophy of Arithmetic.

Vincent F. Hendricks and Hannes Leitgeb ed. Philosophy of Mathematics 5 Questions, Automatic Press / VIP, 2007 何とはなしに上記の本の Albert Visser さんの文章を読むと、中々面白い。 私は知らなかったのですが、Visser さんは Frege に興味をお持…

 Frege and the Proof-Conditional Semantics

この項目の内容は、言うまでもないことだが、単なる備忘録、感想文であり、大したことは書かれていない。 (なお、2009年1月25日の日記も参照のこと。) 金子洋之 「対象としての数 フレーゲの数とウィトゲンシュタインの数」、『現代思想』、特集〈数〉の思考…

 Frege and the Proof-Conditional Semantics, Part III

前回の日記の続き。今回は第三回目。今回で完結。この項目の内容は、やはり言うまでもないことだが、単なる感想文であり、大したことは書かれていない。 金子洋之 「対象としての数 フレーゲの数とウィトゲンシュタインの数」、『現代思想』、特集〈数〉の思…

 Frege and the Proof-Conditional Semantics, Part II

前回の日記の続き。今回は第二回目。三回で完結予定。この項目の内容は、言うまでもないことだが、単なる備忘録、感想文であり、大したことは書かれていない。 金子洋之 「対象としての数 フレーゲの数とウィトゲンシュタインの数」、『現代思想』、特集〈数…

 Frege and the Proof-Conditional Semantics, Part I

この項目を三回に分けて日記に掲載する。この項目内容は、言うまでもないことだが、単なる備忘録である。あるいは単なる感想文である。 金子洋之 「対象としての数 フレーゲの数とウィトゲンシュタインの数」、『現代思想』、特集〈数〉の思考、青土社、2008…

 Frege and the Truth-Conditional Semantics

金子洋之 「対象としての数 フレーゲの数とウィトゲンシュタインの数」、『現代思想』、特集〈数〉の思考、青土社、2008年11月号 先日、この論文を拝読させていただき、興味を感じた点があった。そのことを記したい。そこでまず、上記論文の興味を感じた箇所…

 昨日の読書メモの追記

昨日の日記で以下の論文を再読し、 金子洋之 「対象としての数 フレーゲの数とウィトゲンシュタインの数」、『現代思想』、特集〈数〉の思考、青土社、2008年11月号 先生が通常のFrege解釈とは異なる解釈をご提示されている、定説と思われる見解に反する解釈…

 Wittgenstein's Argument against Frege's ‘Hume's Principle’

上記の入手文献欄で記した Boudewijn De Bruin “Wittgenstein on Circularity in the Frege-Russell Definition of Cardinal Number,” in: Philosophia Mathematica, vol. 16, no. 3, 2008 を読んでいると、とても興味深いことが書かれている。それは私自身…

 When Did Frege Really Recognize the Collapse of His Grundgesetze System After He Encountered Russell Paradox?

先日から G. フレーゲ 「シェーンフリース「集合論の論理的パラドクス」について」、岡本賢吾訳、野本和幸、飯田隆編、『フレーゲ著作集 5 数学論集』、勁草書房、2001年 を読んでいるのですが、発表されなかった原稿のためか、中途半端に終わっている論文と…

 Regeneration of the Concept The Extensions of the Concepts

岡本賢吾先生は次の本の巻末解説で 岡本賢吾、金子洋之編、『フレーゲ哲学の最新像』、双書 現代哲学 5、勁草書房、2007年 この本に収録されている以下の論文を大変高く評価しておられます*1。 マルコ・ルフィーノ 「フレーゲはなぜ新フレーゲ主義者ではなか…

 読書: Traditional Logic, Concepts, and Sets

José Ferreirós “Traditional Logic and the Early History of Sets, 1854-1908”, in: Archive for History of Exact Sciences, vol. 50, no. 1, 1996 岡本賢吾 「「論理主義」は何をするのか −フレーゲの場合−」、『科学哲学』、34-1号、2001年 最近、以下…

 The Progenitor of Axiomatic Set Theory

先日読んだ以下の論文について記す。 Christian Thiel “‘Not Arbitrarily and Out of Craze for Novelty’: The Begriffsschrift 1879 and 1893”, in: M. Beaney and E. Reck, ed., Gottlob Frege, Critical Assessments of Leading Philosophers Series, Vol…

 It was Frege who was the first to realize the importance of the membership as a binary relation on the universe in set theory.

本日入手した以下の文献のappendix “Notes Towards a History [of Non-Well-Founded Sets]”を読んでいると、 Peter Aczel Non-Well-Founded Sets, the Center for the Study of Language and Information, Center for the Study of Language and Information…

 The First Discoverer of Russell Paradox is neither Russell nor Zermelo. It's Frege. Frege!?

先日以下の文献を読んでいて、意外に思ったことがある。 Nicholas Griffin “The Prehistory of Russell's Paradox,” in Godehard Link ed., One Hundred Years of Russell's Paradox: Mathematics, Logic, Philosophy, Walter de Gruyter, De Gruyter Series…

 Solatium miseris, socios habuisse malorum

FregeのGrundgesetzeの後書きのすぐ初めのページで、次の文言が出てくる。 Solatium miseris, socios habuisse malorum これは勁草書房の和訳によると「不幸な者にとっては不幸な朋輩を持つことが慰安である」とのことです*1。 生涯の仕事が完成するところで…

 Indefinitely Extensible Consepts と竹内先生

次の文献を一部再読。 竹内外史 『新装版 集合とはなにか はじめて学ぶ人のために』、ブルーバックス B-1332、講談社、2001年 末尾近くの237ページ以下を読んでいると、indefinitely extensible concepts を思わせるような記述があり、驚く。 初歩的な解説文…

 Wittgenstein's Complaint against Frege about his Manuscript of Tractatus

上記入手文献1本目の “Letter from L. Wittgenstein to B. Russell, 19.8.1919”, in Brian McGuinness, ed., Wittgenstein in Cambridge: Letters and Documents 1911-1951, Fourth Edition, Blackwell Publishing, 2008 は、かなり有名な書簡だろうと思いま…

 Resnikさん、Frege本を書く。

以下の本に載っているMichael D. Resnikさんの文を何気なく読む。 Vincent F. Hendricks and Hannes Leitgeb ed. Philosophy of Mathematics 5 Questions, Automatic Press / VIP, 2007 この本では、著名な数学の哲学者、論理学者に対し、なぜ数学の哲学や論…

 Did Frege Regard Hume's Principle as a Definition in his Grundgesetze, II ? (一部再録)

改めて言うまでもないが、以下に記すことは別段目新しいことではないし、何か深くて透徹した哲学的洞察が示されているものでもない。単なるメモである。 FregeのHume's Principleを用いて、この原理を基数の定義と見なすことにより、第二階の論理を使うこと…

 Did Frege regard Hume's Principle as a Definition in his Grundgesetze, II ?

FregeはHume's Principleを、1903年のGrundgesetzeにおいて、定義と見なしただろうか? 少なくともGrundlagenでは、Hume's Principleを定義と見なさなかったのは確かである。 というのもよく知られているように、GrundlagenにおいてHume's Principleを定義と…

 入手文献: Frege on Truth

William W. Taschek “Truth, Assertion, and the Horizontal: Frege on ‘The Essence of Logic’”, in: Mind, vol. 117, no. 466, 2008 Dirk Greimann “Does Frege Use a Truth-Predicate in his ‘Justification’ of the Laws of Logic? A Comment on Weiner”…

 Entry ‘Sinn und Bedeutung’の疑問点

先日、以下の図書を購入した。 菅野盾樹編 『現代哲学の基礎概念』、大阪大学新世紀レクチャー シリーズ、大阪大学出版会、2008年 この本は現代哲学の基本的な用語を取り上げて、西洋哲学の用語ならば外国語原典からの原文を抜粋しつつ解説を加えており、便…

 Logicismに関するFregeとDedekindとの共通点と相違点を、E. Reckさんに学ぶ。

FregeのlogicismとRussellのlogicismが、随分異なるものであることが、最近時々言われているものと思われます。 ではFregeのlogicismとDedekindのlogicismとでは、どうなのだろう? 今日入手した次の文献の‘Section 3. Logicism and Structuralism’の冒頭に…