Miscellanea
先日、本屋さんで次の本を手に取り、中を見てみました。 金関猛 『ウィーン大学生フロイト 精神分析の始点』、中公叢書、中央公論新社、2015年 私は Freud には特に興味があるわけではないのですが、分析哲学を勉強しているため、 Vienna Circle にはちょっ…
以下は、jazz の私的な話です。落ちなどは何もありません。 3月12日木曜日、学食でお昼ご飯をとる。その際、Walkman で Art Pepper の Modern Art を聴きながら食事をする。お昼の、しかもごはんの最中に、Modern Art を聴くべきなのかについては、異論もあ…
W. V. Quine さんが様相論理に否定的であったことはよく知られていると思います。先日たまたま目の前の手の届くところに次の本があり、 大出晁 『パラドックスへの挑戦 ゲーデルとボーア』、岩波書店、1991年、 以前にところどころ拾い読みしていたのですが…
前回の日記では、この PR 誌から 『みすず』、読者アンケート特集、2015年、1, 2月合併号、第57巻、第1号、通巻634号、みすず書房 三島憲一先生による読書アンケートの回答を引用させていただきました。2014年に先生がお読みになられた文献で、重要と感じら…
先日、次の PR 誌を購入し、拝読致しました。 『みすず』、読者アンケート特集、2015年、1, 2月合併号、第57巻、第1号、通巻634号、みすず書房 この中で、三島憲一先生による読書アンケートの回答が大変興味深いものでしたので、その一部をここに引用させて…
つい先日まで、Plato の著作に関し、私の知らなかったちょっとしたことを一つ、記します。なお、私は Plato はもとより古代ギリシア哲学全般に疎いので、この後の話は割り引きながらお読みください。間違っていることを書いておりましたらすみません。 西欧…
先日来、次の本を拝読しているのですが、 石田由香里、西村幹子 『の見つけ方 全盲女子大生が手に入れた大切なもの』、岩波ジュニア新書 791, 岩波書店、2014年 胸の熱くなるような言葉がいくつかありましたので、紹介したいと思います。今回はその二回目で…
先日、次の本を購入させていただきました。 石田由香里、西村幹子 『の見つけ方 全盲女子大生が手に入れた大切なもの』、岩波ジュニア新書 791, 岩波書店、2014年 読んでいて胸が熱くなる本でした。全部読んでしまうのがもったいないので、ゆっくり少しずつ…
昨年、 Terence Parsons Articulating Medieval Logic, Oxford University Press, 2014 を拾い読みし、そこで Parsons 先生が中世の論理学で、異なる量化子を複数含んだ多重量化文を扱うことができると主張されているのを見て、私は大変驚きました。そのよう…
最近、次の本を読んでいます。 細見和之 『フランクフルト学派 ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』、中公新書 2288, 中央公論新社、2014年。 私は Frankfurt 学派に無知ですから、この本は大変勉強になります。読んでいてとても興味深く…
先日、次の本を購入しました。 María Manzano, Ildikó Sain, and Enrique Alonso eds. The Life and Work of Leon Henkin: Essays on His Contributions, Birkhäuser/Springer, Studies in Universal Logic Series, 2014. 本を受け取った後、広場のベンチに…
つい先日、次の論考を拝読させていただきました。 徳永恂 「アーレント「悪の陳腐さ」をめぐって」、『図書』、岩波書店、2014年12月、第790号。 ここでは従来の大部分の方々と同様、Eichmann は命令に従っていただけの小役人として描かれています。 ただし…
先日、次のような本が刊行されました。 秋富克哉、安部浩、古荘真敬、森一郎編 『ハイデガー読本』、法政大学出版局、2014年。 それでこの本の中に収められている次の論考を店頭で拝読させてもらいました。 ペーター・トラヴニー 「特別寄稿 ハイデガーと「…
「なるほど、そうなんだ、知らなかったな」と思ったことを記します。そんなに大そうなことではございません。 先日、刊行されたばかりの次の書籍を書店店頭で拝見していたところ、 伊藤貴雄 『ショーペンハウアー 兵役拒否の哲学 戦争・法・国家』、晃洋書房…
本の一部を読んだ感想を記します。下記の本に出てくる橋爪大三郎先生のご発言に対する批判的な感想です。詳細な批判を展開するというものではなく、簡単な感想を述べるだけのものです。その感想は個人的な印象を述べたものであり、問題の本の主題となってい…
先日、戦争責任について考えていた。そこでちょっと面白いことを思いついたので、記してみます。既に誰かが考えていることかもしれませんが、「無責任のパラドクス」というものを思いつきました。とはいえ、本物のパラドクスではございません。ただの詭弁で…
玉音放送を巡って、私には意外だったこと、私のまったく知らなかったことを、記します。なお、私は歴史家ではありません。また、先の戦争を経験している者でもございません。そのため以下の記述には間違いが含まれている可能性があります。もしも読まれる場…
最近、次の本を拾い読みし、 丸山眞男手帖の会編 『丸山眞男話文集 続2』、みすず書房、2014年、 とりわけ、410ページ以下の『昭和天皇独白録』をめぐる丸山さんの発言を読む。また、以前にも拾い読みしていた次の本をあちこち読み直す。 井上清 『天皇の戦…
数日前に the Yablo Paradox の本を購入しましたが、いい機会だし、手持ち無沙汰なので、the Yablo Paradox を説明してみます*1。まず、次の原典から、 Stephen Yablo ''Paradox without Self-Reference,'' in: Analysis, vol. 53, no. 4, 1993. As to a dra…
2014年6月8日の当日記で、次のような名の項目を記しました。 Heidegger's 'Black Notebooks' and the Protocols of the Elders of Zion この春に刊行されたドイツ語の Heidegger 全集の巻に、Heidegger の反ユダヤ主義をはっきり疑わせる記述が見られるらし…
先日、net で次の文を拝見させていただきました。 戸田山和久 「ミニマリスト概念工学としての哲学」、『ちくま』、筑摩書房、第517号、2014年4月号、http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/entry/984/. この文は、戸田山先生の以下のご高著を紹介…
先日、本屋さんの店頭で、刊行されたばかりの次の本を拝見させていただく機会がありました。 朝倉友海 『「東アジアに哲学はない」のか 京都学派と新儒家』、岩波現代全書、岩波書店、2014年。 そのなかの「はじめに ― 「東アジアに哲学なし」」の部分を軽く…
From the Italian news journal La Stampa, March 18, 2014. まず最初に、以下の記述に誤解や無理解などがございましたら申し訳ございません。謝ります。専門家ではないので間違いを記しているかもしれません。そのようでしたら訂正致します。どうかお許しい…
個人的な覚え書きを記します。 ついこのあいだ、以下の本を購入しました。 Ivan Boh Epistemic Logic in the Later Middle Ages, Routledge, Topics in Medieval Philosophy Series, 1993/2014. この本の入っている series, Topics in Medieval Philosophy …
前回の日記は話が長かったので、今回は短くしめます。いつものように些細なことを一つ。 先日、本屋さんで次の新刊を手に取ってみました。 スピノザ 『神学・政治論 (上)』、吉田量彦訳、光文社古典新訳文庫、光文社、2014年 スピノザ 『神学・政治論 (下…
(本日の日記の文章は、ちょっと長いです。時間のない方は、読まないほうがよいかもしれません。) かつての伝統的論理学と現代の論理学を分かつのは、前者では多重量化文、とりわけ all と some という異なる量化子を複数含んだ異種混合多重量化文 (mixed mul…
哲学と全然関係ないのですが、先日初めて知って、軽く驚いた瑣事を一つ記します。数日前まで私はまったく知らなかったのですが、あの Adam Smith さんは子供の頃、誘拐にあっていたようです。これはちょっとびっくりした。「えっ! ほんと? またどうしたの…
(注意書き 2015年1月18日: 以下を読まれる場合は、当日記の次の文も必ずお読みください。2015年1月18日、項目 'Professor Terence Parsons' Interpretation of Medieval Logic is not so Faithful to the Original Systems as We Expect.' 繰り返しますが、…
先日、以下の書籍を購入した。 丸山眞男 『丸山眞男話文集 続 1』、丸山眞男手帖の会編、みすず書房、2014年。 中を見てみると、例によって滅法面白い。特に次の二つが面白く、あちこちを拾い読みする。 「生きてきた道 『戦中と戦後の間』の予備的な試み」…
発売されたばかりの次の本を店頭で眺めていると、 戸田山和久 『哲学入門』、ちくま新書、筑摩書房、2014年、 その終章で人生の意味について語られている。科学的な世界観の中に、私たちの人生の意味をどのように位置付ければよいのかが述べられている。その…