Principia Mathematica の発行部数

  • Michiel Hazewinkel ‘David Hilbert, Paper on ‘Mathematical Problems’(1901)’
  • I.Grattan-Guinness ‘A.N.Whitehead and Bertrand Russell, Principia Mathematica, First Edition(1910-1913)’

ともにGrattan-Guinness編最新刊から。
この2本目のPM解説にはPMが刷られた部数が載っている。1巻目が750部、2巻目、3巻目がそれぞれ500部ずつとある。こういう情報はその筋の研究者の方はご存知のことなのかもしれないが、今回私ははじめて知りました。私の印象としましては「少し多いな」というものでした。今から振り返ればPMは論理学史上の金字塔であり売れることは間違いなかったとわかるのですが、当時は誰もどれだけ売れるか本当のところわからなかったと思います。そこで特に1巻目が750部というのが結構思い切ったことしているなと感じます。というのもこれほどの専門書で論理式いっぱいのhardcoverなら、今どきせいぜい500部がMaxであり、というかそれでもMax越えてますね。やはりせいぜい350部しか現在なら刷らせてもらえないんじゃないでしょうか? 2、3巻目はそれぞれ300部止まりでしょう。もちろん日本じゃ考えられない数だと思いますが…。でも本当に今ではそれぐらいしか刷らせてもらえないでしょう。そう考えると750は多い。まあしかし今と昔じゃあ状況がかなり違いますからね。

  • A.N.Prior ‘Tense Logic and the Logic of Earlier and Later’

Quineがかつて書いた‘Three Grades of Modal Involvement’を踏襲して、PriorがFour Grades of Tense-Logical Involvementを記述する試みです。

G.Jackによるinterview、または書面による質問の回答から彼らの肉声を描いています。面白い。カフェで軽く読んだが、読む前は眠たかったのに読み出すと面白くてすっかり目が覚めました。みんなChetのことが好きだったんだなぁ。すばらしい。

わかりやすい入門書が出たと思ってすぐに買った。そしてすぐに読んだんだが、これは解説書ではなかった。確かに入門の書ではあるのだが、時代順に並べたグラムシ発言集といった趣である。写真が色々と載っており、親しみがわきます。しかし発言集、書簡集みたいのものであり、それぞれの発言・書簡には詳しい解説がついていないので、まったくの素人にはその置かれている背景がわからず理解するのが難しかった。グラムシの略年譜や彼の『獄中ノート』構成表・執筆年表がついていてこれは便利かもしれません。まあ値段も手ごろだし今述べたことを踏まえてならグラムシ入門の一つとしてよいかも。