フレーゲ 「概念記法の科学的正当化について」における概念記法の必要条件

  • G.フレーゲ 「概念記法の科学的正当化について」 藤村龍雄・大木島徹訳

このFregeの論文を読み、ノートに取ってじっくり読む。面白い。この論文の終わりの方でFregeは概念記法の、十分条件ではないだろうが、必要条件を示している記述が見られます。「そもそも概念記法って何なんだ?」という疑問を私は持っているのですごく興味深い。そのまま翻訳から引用すると以下の通り(208ページ)。

私は、真の概念記法について、以下のことを要求したい。真の概念記法は論理的関係に対して簡潔な表現法をもっていなければならない。そして、その表現法は、数は必要なものに限られ、容易にかつ確実にマスターできるものでなければならない。これらの形式は、きわめて密接に内容と結びつくのに適していなければならない。その際、書記平面の二次元的な拡がりが叙述の明瞭さのために十分に活用し尽くされるような簡潔さが追及されねばならない。

ここでは6つの条件が、とりあえず上げられているものと読めます。すなわち

    1. 概念記法は、論理的関係を簡潔に表現できなければならない。
    2. 概念記法は、その論理的関係を表す表現法の数が必要最低限でなければならない。
    3. 概念記法は、その論理的関係を表す表現法を容易にマスターできるものでなければならない。
    4. 概念記法は、その論理的関係を表す表現法を確実にマスターできるものでなければならない。
    5. 概念記法は、その論理的関係を表す表現法の形式(?)が内容と密接に結びつくものでなければならない。
    6. 概念記法は、書記平面の二次元的な拡がりを使って簡潔に記述されるものでなければならない。

5番目の条件の「形式」という言葉が論理的関係を表す表現法のことについてなのか、にわかには判断しかねたので一応クエスチョン・マークをつけてありますが、大体以上でしょうか。しかしここから各条件が正確に言って何をいわんとしているのかを理解しなければなりませんね。それが理解できればFregeが「概念記法」ということで何を考えていたのか、かなりの程度わかってくると思われます。さてそれは何なんだろう?

あとFregeは自分の概念記法を説明する際にBooleやPeanoの記号法を引き合いに出して解説している。そこでBooleとPeanoの本の翻訳が読みたくなった。Booleの公論社の翻訳は持っているがPeanoの共立出版の翻訳はまだなのでこちらをそのうち買おうかな。ジュンク堂で立ち読みすると、すごく訳注解説が多くてわかりやすそうだ。できれば安く古書で買いたいが…。

こうして部屋に帰って数学の入門書を少しやる。
体調悪いなりにあれこれ読んでは考えた1日でした。


もう寝よう。おやすみなさい。