Memo 2: 負数はいつ認められたのか

この間出たばかりの雑誌『現代思想』、2006年7月号、特集「幾何学の思考」をぱらぱらめくっていると意外な一文に出くわす*1

ヨーロッパにおいて負数が公認され、学校で教え始められたのはなんと一九世紀に入ってからなのである。

もっと前から教えられているものかと何となく思っていたが、そうではなかったのか? 随分遅い気がする。このような遅さが当時の数学の基礎に関する議論に影響を与えていたというのは、ありうるだろうか? 著者はこの一文の後で

  • Gert Schubring  Conflicts Between Generalization, Rigor, and Intuition: Number Concepts Underlying the Development of Analysis in 17th-19th Century France and Germany, Springer, Sources and Studies in the History of Mathematics and Physical Sciences Series, 2005

に言及されているので、この本にそのことが書かれているようである。

*1:吉永良正 「幾何学はどこから来たのか」、200ページ。