Memo: On Fregean Neo-Logicism

今日は夜になって、ほんの少し心が軽くなる。そこで以下の論文の初めの部分の内容をわずかばかりメモしておく。

  • Fraser MacBride  “Speaking with Shadows: A Study of Neo-Logicism”, in: The British Journal for the Philosophy of Science, vol. 54, no. 1, 2003

MacBrideさんのまとめによると、FregeanなNeo-Logicismは以下のi)-iii)の三本柱から成るそうである。


i) 言語-実在観: 言語と実在に関するある一般的な考え方 (a general conception of language and reality)
言語と実在は独立してあるのではない。実在は言語を反映している。言語に映し出されたものが実在である。
数が対象として存在することを立証するためには、
数詞が単称名であり、
単称名の、統辞論的資源だけからの特定可能性と、
単称名の、真なる文脈中での出現の確保が要件。
このi)で、Syntactic Priority Thesis, Context Principleが効いてくる。


ii) 新語導入法: 新しい表現を言語に導入するある特別な方法 (a particular method for introducing novel expressions into language)
The Method of Abstraction, Abstraction Principle


iii) 論理の範囲: 論理の範囲についてのある特殊な理解 (a specific understanding of the scope of logic)
Second-Order Logic is Logic


そして上記i)は次の四つのものから成る。
i)−(SP1) 統辞論的決定性 (Syntactic Decisiveness) ある言語表現が単称名としての統辞論的特徴を示しているならば、その言語表現は単称名としての意味論的特徴をも備えていると、規定される。
i)−(SP2) 指示的最小主義 (Referential Minimalism) 言語表現が何かを指示しているためには、その言語表現が真なる文中に現われているだけで十分である。
i)−(SP3) 言語優先性 (Linguistic Priority) 単称名が指示するものが対象である。
i)−(SP4) 意味の使用への随伴 (Meaning Supervenes on Use)
If sentences ‘S1’and ‘S2’exhibit the same pattern of use, then if ‘S1’is true then ‘S2’is also true; if expressions ‘n1’and ‘n2’exhibit the same pattern of use, then if ‘n1’refers to an item n, then ‘n2’ also refers to n.*1


上記ii)は次の三つのものから成る。
ii)−(MA1) 統辞論的新表現導入 (Syntactic Novelty)
ii)−(MA2) 意味論的新対象導入 (Semantic Novelty)
ii)−(MA3) 指示的実在論 (Referential Realism)


上記iii)は次の一つのものから成る。
iii)−(2OL) 第二階論理は論理である (Second-Order Logic is Logic)

*1:ここでの‘Supervene’とは、あのいわゆるスーパーヴィーニエンスのことなのだろうか? スーパーヴィーニエンスとは性質群と性質群との間で成り立つ関係であり、次のように定義されると理解している。性質ψの集合Aが性質φの集合Bにスーパーヴィーン(Sv)する ⇔ 任意のものχとyについて、χとyがBに属する性質のいずれによっても区別されないならば、必ずそれらはAに属する性質のいずれによっても区別されはしない。ψSvφ ⇔ □∀χ∀y∀φ∈B∀ψ∈A( φχ≡φy → ψχ≡ψy ). またこの点について考えてみよう。今は頭が回らない。