Resnikさん、Frege本を書く。

以下の本に載っているMichael D. Resnikさんの文を何気なく読む。

  • Vincent F. Hendricks and Hannes Leitgeb ed.  Philosophy of Mathematics 5 Questions, Automatic Press / VIP, 2007

この本では、著名な数学の哲学者、論理学者に対し、なぜ数学の哲学や論理学に興味を持ったのかというような質問が投げ掛けられ、それに対する返答が記されています。


Resnikさんと言えば、数学の哲学でよく知られています。Fregeを勉強している人なら、彼がFrege本を書いていることを知っているものと思います。
上記のResnikさんの文を読むと、どのような経緯でFregeの本を書くようになったかが語られています。
ただし、何か大事件があって書き始めたとか、何か不思議な因縁のもとに書き始めたとか、そのようなことではないみたいです。


最初はYale Universityの学部一年生の時に、Alan Andersonのlogic courseを受講し、Copiの教科書で勉強して、なかなか面白く感じたそうです。
それで次の年はFrederic Fitchのlogic courseを通年で取り、その後、両人のlogic courseをみんな取って勉強したみたいです。
それから専攻は数学および哲学として勉強し、この結果として角谷先生の解析学を取らねばならなかったのですが、このcourseを受講していて、自分は数学で食べて行くのには向いていないと悟り、哲学へ転向しようと考えたようです。
それで勉強仲間がQuineのFrom a Logical Point of ViewとAyerのLanguage, Truth and Logicを読んでみたらと勧めてくれて、読んでみると確かに自分には哲学がぴったりだとわかったそうです。
そしてHarvardでPh.D.を取りに行くことにし、そこでQuineのSet Theoryのcourseを受け、博士号取得のための予備試験をpassし、博士論文のテーマを探していたところ、人からBurton Drebenに相談してみたらと言われ、そこで会いに行ったらDrebenが当時取り組んでいた述語論理における決定問題のある可解なcaseについて説明されて、それについて一緒に取り組んでみないかと誘われたみたいである。それを受けて勉強した結果、meta-logicについて色々と知ったそうだ。
Drebenは1962年の春にFregeについての講義を開講し、Resnikさんはこの講義を受講したみたいで、これを通して、論理学に対する興味と、複雑に入り組んだtechnicalな事柄を理解し明快に説明して見せる自分の能力とを結び付けてみせればいいんだということに気が付き、自らの強みと今後の方向性が固まったみたいである。
Drebenにはげまされ、Fregeのmethodologyと彼の哲学的前提と、これらがいかに彼のlogicの形成に影響したかについて解明してみせる博士論文に取り組み、Charles ParsonsとDagfinn Follesdalの指導の下、論文を書き上げた。
その後、しばらくはまだ哲学するとはどういうことはよくわからなかったが、meta-logicの定理を突き詰めて考えることを通して哲学することが何であるかを理解し、それから例のFrege本を書くに到ったようである。


以上、走り書きしながらまとめているので、誤字脱字などがあればすみません。読み直していないので、正確には上記のResnikさんの文に当たって下さい。平易な英語で書かれています。