• Rajesh Bhatt, Patrick Hawley, Martin Hackl, and Ishani Maitra ed.  The Linguistics/Philosophy Interface: MIT Working Papers in Philosophy and Linguistics, #1, MIT Working Papers in Linguistics, 2000
  • Guido Bonino  “Review of Peter Hylton, Quine, Routledge, 2007, 405pp., $85.00 (hbk), ISBN 9780415063982.”, in: Notre Dame Philosophical Reviews, June 5, 2008
  • 佐々木力  「ユークリッド公理論数学と懐疑主義 ─サボー説の改訂─」、『思想』、岩波書店、2008年、第6号、no. 1010
  • 松原秀治  『フランス語の冠詞(新装版)』、白水社、2008年、(初版1978年、原題『現代仏蘭西語に於ける冠詞の用法 改訂版』)


1本目の文献については、2008年5月13日の日記に目次がある。Iris Einheuser,“On Quantifying over Everything”とGabriel Uzquiano,“Numbers, Persons, and Indeterminacy of Reference”が興味深い。ビジネス街にあるコピー屋さんで簡易製本したような装丁で、B5サイズを一回り小さくしたぐらいの大きさ。厚さは2cmぐらい。日本の大学院生が作るような薄い紀要みたいなものをイメージしていたが、現物を見ると普通の本と変わりがない。結構大きくて分厚い。なかなか立派。
3本目の佐々木先生の論文は力が入っている感じ。Szaboさんの諸説を根本的に批判し、公理的方法の淵源を広義の懐疑主義的哲学に求めると共に、この哲学の生じた社会的背景を分析するに、J. BurckhardtとM. Weberを拠り所とする、というような感じの野心作みたいである。これは先生の本 『数学史入門 微分積分学の成立』(ちくま学芸文庫)の第1章「古代ギリシャの遺産 −公理論的数学と幾何学的解析」の第2節「数学的証明・公理論的体系とはどういうものか?」および第3節「公理論的数学の思想史的-社会史的背景」を、詳説・詳論したもののようである。とても面白そうだ。公理的方法がどのように生じて来たかに関心があるので、後日読んでみよう。
最後のフランス語冠詞の本のdescriptionは以下の通り。

入門段階でまず学ぶ文法事項でありながら、上級者でも判断に苦しむ冠詞の用法を、豊富な具体例に基づきながら平易明快な文章で分析し、フランス的精神の解読に挑んだ画期的名著。

冠詞の用法を丁寧に、ゆったりと説明しているようである。講義でゆっくり解説を聴いているような雰囲気の紙面である。本のページ数も少なめで、読み通せそうな気がする。このような感じの本はとても好きなので購入する。いつか読もう。いつになるかはわからないけれど…。


おやすみなさい。