• Alonzo Church  The Calculi of Lambda Conversion, Princeton University Press, Annals of Mathematics Studies, no. 6, 1941, Second Printing 1951
  • 市川三紀  「来歴否認の意味論的解明 −フレーゲの固有名と指標詞の意義理論を手懸に」、『創価大学大学院紀要』、創価大学大学院、第28集、2006年


前者については以下のような評言がある。引用文冒頭の‘[Chu41]’とは、上記前者の書のこと。

[Chu41] is the first-ever textbook on λ, by the man who originated the subject. Its notation and methods are outdated now, but the early pages are still worth reading for motivation and some basic ideas*1.

また初めの辺りを読んでみることにします。


後者の論文は、少し珍しい事柄を取り上げておられます。
Proper nameや一人称の‘I’について、そのSinnを検討されているようですが、その際、Lacanのnœud borroméenを使って考察を展開されています。
FregeにLacanをぶつけるというのは、あまり見かけないものと思います。
Lacanの話は私の理解を完全に超えているので、この論文の評価は私にはまったく不可能です。


しかし以前には、例えばこの論文の参考文献表に上がっている

を私も熱心に読んでいたことがあります。とても面白かった。けれども今となってはもう読めません。
先日古書店でこの本を見かけて手に取って中を見てみたのですが無理でした。
生理的に受け付けない状態になってしまっています。
何だか悲しいような気もするし、あるいは自分が成長して以前の服が着れなくなったような感じでもあり、
悲しいような、成長したのだからこれでよかったような、ひどく切ない気持ちです。
市川さんの論文は、眺めただけですが、多分私には無理な気がする…。
なお氏の論文はnetからでもDLできるようです。


おやすみなさい。

*1:J. Roger Hindley and Jonathan P. Seldin, Lambda-Calculus and Combinators: An Introduction, 2nd Edition, Cambridge University Press, 2008, p. 19.