Russell's Separation of Logical and Semantic Paradoxes

先日、以下の論文を斜め読みした。

  • Gregory Landini  “Russell's Separation of Logical and Semantic Paradoxes,” in: Revue Internationale de Philosophie, vol. 58, no. 229, 2003
  • Ditto    “Russell's Schema, Not Priest's Inclosure,” in: History and Philosophy of Logic, vol. 30, no. 2, 2009


一読して大変面白いものを感じた。私は Russell について無知なため、これらの論文を充分理解できたとは言えない。しかしそうではあっても上記の二論文を読んでいて、かなり通説とは異なる主張をされていることに少し驚いた。以下に私自身が上記の論文で意外に感じたことを箇条書きにしてみる。

    1. 種々の paradox を一括りにまとめて解決しようと Russell は考えていたと一般に思われているようである。しかし初めから最後までそう考えていた訳ではない。彼は Ramsey に指摘される前に、paradox たちを二つのグループに分けて、それぞれに対し解決策を立てようとしていたことがある。
    2. Vicious circle principle を立てることが、paradox に対する解決策であると Russell は考えていたと思われているようである。しかしこれは間違いである。
    3. Russell が ramification を導入した理由は、それによって semantic paradoxes を解決しようとしたからであると考えられているようである。しかしこれは間違いである。
    4. Russell はしばしば使用と言及の区別を守っていないと、Quine などに指摘され、非難されることがある。しかしこれには Russell に対する誤解あるいは無知がある。


昨日、これら各箇条のいくつかに補足を加えたメモを書いた。後日可能ならば、この日記に up したい。但し、かなり不完全なメモなので、up しないかもしれない。
おやすみなさい。