Russell on Quotation Marks “On Denoting”: Single Quotation Marks or Double Quotation Marks: That is the Question.

なおこの Scanlan さんの書評

  • Michael Scanlan reviewer  “The Denoting Century, 1905–2005 [Review of Guido Imaguire and Bernard Linsky, eds., On Denoting: 1905–2005],” in: Russell: the Journal of Bertrand Russell Studies, vol. 26, no. 2, 2006

の冒頭には*1、些細な事ながら、しかし気を付けなければならない remark がある。それによると、Russell の“On Denoting” 論文は Journal の Mind に発表された後、いくつかの文献に掲載されているが、例えば元の Mind に載っている論文で使われている引用符の使用法と、皆がよく利用している Marsh 本で使われている引用符の使用法とは異なっているそうである。前者は American Style の引用符 (single quotation marks within double quotation marks) を使用し、後者では British Style の引用符 (double quotation marks within single quotation marks) を使用しているそうだ。これはとても些細なことだが、Gray's Elegy Argument を読解する場面では、決定的に重要である。Russell に無知な私でも、これは注意しないと大変なことになるということはわかる。“On Denoting” のバージョンによっては引用符が異なっているということは Russell 読みの方々にはよく知られていることかもしれない。しかし私は知らなかった。これは注意しないと危ないことになる。Gray's Elegy Argument は、引用のメカニズムが整合的であるかどうかにかかっている、あるいはどの程度整合的であるかにかかっているであろうから、引用符の微妙な違いが後で大きな差となって出てきてしまう。Mind バージョンと Marsh バージョンとでは本当に引用符が異なっているのか、今は確認していないが、いずれにせよ気を付けるようにしよう*2

*1:Scanlan, p. 167.

*2:ちなみに Mind, vol. 114, no. 456, 2005 の Special Issue: 100 Hundred Yeas of ‘On Denoting’ では、Russell の“On Denoting”が再掲載されているが、これは Marsh 本からの reprint のようである。