• Tom Ricketts and Michael Potter ed.  The Cambridge Companion to Frege, Cambridge University Press, Cambridge Companions to Philosophy Series, 2010

この本の paper は先日入手していた。本日入手の上記の本は、その hard 版。念のため、hard と paper の両方を取り揃えておく。
Paper 版はこの間から読み始めた。巻頭にある解説論文

  • Michael Potter  “Introduction”

は、読み終えた。今、その次に掲載されている以下の論文を読み始めた。

  • Joan Weiner  “Understanding Frege's Project”

‘Frege's Project’ というから、logicism の話かと思ったが、どうもそうではないようだ。初めの辺りを読んだ限りでは、個人的にはあまりわかりよい論文という感じがしない。とても sharp な論証が展開されているとは思えない。何だかひどく論証が loose な感じである。とはいえそう感じるのも単に私の読解力が足りないせいなのだろうし、大体人のことなど言えない立場である。そんなにわくわくするような論文ではないような気がしますが、まぁ、取り合えず読み進めてみます。読み終える頃にはわくわくしているかもしれない。そうなるといい。

  • Richard L. Mendelsohn  “Frege's Begriffsschrift Theory of Identity,” in: Journal of the History of Philosophy, vol. 20, no. 3, 1982

私たちの中には一般に Frege が二人いると思います。一人は logicist としての Frege で、Grundlagen, Grundgesetze の Frege です。もう一人は言語哲学者としての Frege で、“Über Sinn und Bedeutung” の Frege です。論理主義を遂行しようとしている中で、どうして Sinn と Bedeutung の話が出てくるのか、論理主義と言語哲学とは Frege の中で、どのようにつながっているのか、一見する限りではピンとこないものがあると思われます。本日入手の Mendelsohn 論文は、Begriffsschrift から Sinn と Bedeutung が出てくる流れを説明されているようで、二人の Frege の統一化を模索しているものとして解することができそうです。時間があれば、何とかして読みたいです。時間があるかどうかは、わからないですが…。



最後に以下の新刊を入手。