• Norman Sieroka  “Weyl’s ‘Agens Theory’ of Matter and the Zurich Fichte,” in: Studies in History and Philosophy of Science Part A, vol. 38, no. 1, 2007
  • John L. Bell  “Hermann Weyl's Later Philosophical Views: His Divergence from Husserl,” in Richard Feist, ed., Husserl and the Sciences: Selected Perspectives, University of Ottawa Press, Collection Philosophica, vol. 55, 2004
  • 河田直樹  『ライプニッツ 普遍数学への旅』、大数学者の数学 5、現代数学社、2010年
  • 上山安敏  『世紀末ドイツの若者』、講談社学術文庫 1136、講談社、1994年 (原本1986年刊) (古書)
  • 中山茂  『日本人の科学観』、創元新書 38、創元社、1977年 (古書)
  • 宍戸里佳  『大学1・2年生のためのすぐわかるドイツ語 【読解編】』、東京図書、2010年
  • 本間敏雄監修、小田島修治著、しおたになおや絵  『ヘブライ語で遊ぼう!』、日本キリスト教団出版局、2009年

Leibniz 本は、Leibniz の数学と数学に対する考え方が、比較的わかりやすくまとめられているようで便利に思い、購入させていただきました。
上山先生の本は、Carnap もかかわっていたと思われる Wandervogel 運動について知りたく入手。
この本の解説に次の文章が付されている。

  • 木田元  「上山さんのこと、『世紀末ドイツの若者』のこと」

この文の中に次のような一節がある。

ハイデガー自身、一九二四年の講義 (『プラトンソフィスト』) で、本書でも繰りかえし話題にされている一九一三年十月のホーエン・マイスナーでの「自由ドイツ青年大会」に共感をこめて言及している。彼の哲学がこうした青年運動に結晶した当時のドイツ青年の精神的傾向を独自な仕方で表現したものだと言われるわけも、幾分分かるような気がするのである。*1

私は、2010年12月1日の日記の項目 ‘Carnap and Heidegger Agreed on Some Points of a Philosophical Discussion.’ で、Carnap と Heidegger が会って話をしていただけでなく、両者が哲学上のある事柄について、一致点を確認し合っている事実があるらしいことを記しました。二人は何から何まで意見を異にしているのではなく、同意できる見解も持ち合わせていた訳です。恐らく、一般的な印象に反して、初めから最後まで二人は食い違っていたのではなく、認め合える点も持っていたと考えられます。
さて、上記の木田先生の文を読むと、Carnap と Heidegger は、実は共に同じ精神的圏内にいたのかもしれないと想像されます。Frege と Husserl は、元々同じ関心領域の中に同居していたと昨今では言われていますが、Carnap と Heidegger も、元々は同じ圏域にいたのではないでしょうか? そのように予想を立ててみることも、有効な結果を生むかもしれません。因みに Carnap は1891年生まれ、Heidegger は1889年生まれで、二歳しか違わず、同世代と言っていいでしょう。Wandervogel から話を始めて、同一圏内にいる Carnap と Heidegger へと至る物語を、誰か紡ぎ出してもらえないものかと思います。

*1:木田、272ページ。