まず洋書。

  • Gregory Landini  Frege's Notations: What They Are and How They Mean, Palgrave Macmillan, History of Analytic Philosophy Series, 2012

発売前に予約していたのだが、ようやく先日入手できた。随分遅い。早速 Introduction を読んでみた。大変興味深い。そして、通説に反した、とても挑戦的な文言が並んでいる。可能であるならば、後日、この点について、ほんの少しだけ、この日記上で言及したい。


次に和書。


語学関係の和書。

  • 諏訪功  『ドイツ語で読む珠玉の短編 対訳 目に見えないコレクション・広間にて・パン』、NHK出版、2012年


そして和雑誌。

特集目次


最後に論文。

  • 新茂之  「様相命題論理の図像的展開 C. S. パース「存在図形」第3部の体系化に関する試み」、『人文学』、同志社大学人文学会、第189号、2012年3月

この論文は 80 ページを越える長大な論文であり、後ろの方には、existential graphs がいっぱい出てきます。Peirce の existential graph の第三部、gamma part の様相命題論理を、多重様相を含めて詳しく形式化し、明示されていない規則はきちんと明示的に定式化して、この part の基礎部分の詳細を明らかにしようとされておられます。すごく意欲的です。新先生によると、gamma part は、従来から言及され、いくらか研究されてはいるものの、どうやら単純様相に限定された研究が主で、多重様相を詳しく展開して、その詳細を提示するということはなされて来なかったようです*1。先生のこの論文でも言及されています Roberts 本などを私も拾い読みしたことはありましたが、詳細は存じませんでした。そうだったんですね。また勉強致します。

*1:新、2-4ページ。