新刊書籍

山本先生の論考や小品と、関係者の方々の論考や思い出話が収められています。寄稿されている方々のごく一部のみを挙げさせていただきますと、吉田夏彦先生、石黒先生、黒崎先生、藤村先生、藤本先生、飯田先生、土屋先生、山田先生、武笠先生等々です。


英語論文

  • Alessandro Bandeira Duarte  ''On the Rule of Substitution for Functions in Begriffsschrift,'' Manuscript, September 2011
  • Alessandro Bandeira Duarte  ''Frege May Have Been a Neo-Fregean,'' Manuscript, September 2011
  • Ulrich Meyer  ''Modal Property Comprehension,'' forthcoming in Synthese
  • Andrew Bacon  ''Curry’s Paradox and ω -Inconsistency,'' forthcoming in Studia Logica
  • Piotr Kulicki  ''An Axiomatisation of a Pure Calculus of Names,'' forthcoming in Studia Logica

Alessandro Duarte さんの二つの論考については、ぜひ comment したいところですが、時間がなくなってしまったので、やめます。1本目などは、title を見ただけで、明らかに重要だと感じられます。


邦語論文類

野本先生の論文は、このあいだ出たばかりの先生のご高著『フレーゲ哲学の全貌』を見ていると、刊行されていることに気が付きましたので、入手致しました。


古書

以下の書籍や雑誌を古書祭りで購入。古書祭りでは、普段まったく本を買わないか、買っても1冊ぐらいのことが多いのですが、今回はかなり珍しく、多数購入しました。古書祭りで、こんなに購入したのは初めてかもしれない。しかし1冊450円が最高で、大抵は200円とか350円以下だった。100円とかも多かった。結構お得だったかもしれない。

  • Gottlob Frege  Funktion, Begriff, Bedeutung: Fünf logische Studien, 5. Aufl., hrsg. von Günther Patzig, Vandenhoeck & Ruprecht, Kleine Vandenhoeck-Reihe, 1144, 1980
  • George Pitcher ed.  Wittgenstein: The Philosophical Investigations, Macmillan, Modern Studies in Philosophy Series, 1968 (first published in 1966)
  • Anthony Kenny  Wittgenstein, Penguin Books, Pelican Books Series, 1975 (first published in 1973)
  • Historia Mathematica, vol. 6, no. 1, 1979
  • Historia Mathematica, vol. 6, no. 3, 1979
  • Historia Mathematica, vol. 6, no. 4, 1979
  • Historia Mathematica, vol. 8, no. 1, 1981
  • 『科学哲学』、特集 論理とは何か、日本科学哲学会、第14号、1981年
  • 現代思想』、特集 数学の文法、青土社、1990年10月号、vol. 18-10
  • エピステーメー』、創刊一周年記念特大号、特集ウィトゲンシュタイン朝日出版社、1976年10月号
  • B. ラッセル  『哲学入門』、生松敬三訳、角川文庫、名著コレクション 14, 角川書店、1965年
  • 田中美知太郎  『ソフィスト』、講談社学術文庫講談社、1976年
  • 潮木守一  『ドイツ近代科学を支えた官僚 影の文部大臣アルトホーフ』、中公新書 1163, 中央公論社、1993年
  • 矢島文夫  『解読古代文字』、ちくま学芸文庫筑摩書房、1999年


1冊ずつ、comment してみます。
Frege の本は、Patzig さんの2008年の版を既に持っている。Mark Textor さんの版も持っている。だけど、Frege さんのこの古い本を古書祭りの100円コーナーで見かけ、いとおしくなったので購入しました。
Pitcher 編のWittgenstein 本は、専門家の間では有名な本なのでしょうか。よく知りませんが、そうそうたる member が寄稿されています。Quinton, Strawson, Malcolm, Feyerabend, Cavell, Ayer, Rhees, Kenny, Chihara, Fodor, Dummett, Stroud さんたちです。しかし本の保存状態が最悪。ぼろぼろで、しかも書き込みが激しい。これも100円コーナーにあったのですが、無理もない。部屋に帰って、鉛筆での書き込みを全部消す。すごく時間がかかって疲れた。
Kenney さんの Wittgenstein 本は、野本先生の訳で翻訳が出ており、この翻訳を持っていましたが、原書は持っていなかったので購入。これも100円。
Historia Mathematica は、某大学の除籍本。各200円。
Vol. 6, no. 1 には、G. Gabriel さんによる Frege 研究と、''Beppo Levi and the Axiom of Choice'' という研究ノートが載っている。この二つは既に持っている。後者の研究ノートについては、当日記2009年10月25日、項目 ''Who Was the First to Formulate the Axiom of Choice?'' をご覧ください。
Vol. 6, no. 3 には、Grattan-Guinness さんによる Gödel と Zermelo 書簡に関する研究、Angelelli さんによる 'Class as One' and 'Class as Many' という、Russell がよく問題にしていた考えの起源を探る論文が載っています(少なくとも 17世紀から18世紀の Spain にまでさかのぼれるらしい)。この二つの論文は未読。
Vol. 6, no. 4 には、recursive function の起源に関する論文、Brouwer の dissertation に関する論文、Gauss による無限についての考え方を扱った論文などが載っています。どれも未読。
Vol. 8, no. 1 には、B. Rang and W. Thomas, ''Zermelo's Discovery of the ''Russell Paradox'' '' という論文や、Gregory Peacock の symbolical algebra の起源に関する論文が載っています。前者は随分前に読んだ。内容はほとんど忘れてしまいましたが。後者は持っているものの、読んでいないと思う。
『科学哲学』の「特集 論理とは何か」は、一部読みました。今では net で無料で読めると思う。でも冊子体で持っていた方が便利なこともあるので購入。100円。
現代思想』の「特集 数学の文法」は、持っている。一部を何度も読んだ。そのため、かなり汚れてしまっている。小口がひどく黒くなってしまっている。きれいなものがほしいと思っていたので、きれいなものがあったから購入。200円。
エピステーメー』の Wittgenstein 特集号は、なかを一部 copy して既に読んでいたが、雑誌そのものは持っていなかったと思うので、購入。持っていたかもしれないが、思い出せない。200-300円ぐらいで、しかも保存状態がよかったので、そのまま入手しておきました。
『哲学入門』について、中村秀吉先生訳と高村夏輝先生訳による Russell の The Problems of Philosophy の翻訳は持っていたが、生松先生訳は持っていなかったし読んだこともなかった。三者三様の訳が参考にできると思い、購入。Webcat で調べてみると、Russell の The Problems of Philosophy の邦訳は、今までにおそらく八つは出ているようです。八つも出ていたんだ。戦前に三つ、戦後に五つのようです。250円。
田中先生の『ソフィスト』は、そのうち購入しようと思っていました。今では納富先生の、同様の題名を持った本を読めばよいのかもしれませんが、古代ギリシャ哲学を専門としている訳ではありませんので、とりあえずは田中先生の本を参考にさせていただき、その後に納富先生の本を読めば、より一層楽しめると思います。350円だったと思う。
潮木先生の本は図書館から借りて随分前に読んだことがあります。Althoff は1882年から1907年の間、ドイツの学問の世界を支配していた文部官僚だそうです。Frege が大学の先生だったのは1874年から1919年頃までだったので、両者が現役の時代は大体重なっています。当時の学問の世界の内情を知るにはよさそうだと思いましたので、潮木先生の本を入手しました。価格は忘れました。200-300円ぐらいです。
矢島先生の本もそのうち入手しようと思っていました。こちらはほとんど趣味です。とはいえ、哲学を勉強していると、「言葉のいみとは何だろう?」と、考えることもあり、古代の文字の解読過程を見ると、言葉のいみについて、何か教えられるところがあるような気もしますので、入手しました。この本が一番高くて450円。


その他の新刊

  • 桑田英彦  『ミシシッピ・ブルース・トレイル ブルース街道を巡る旅』、P ヴァイン・ブックス、2012年

私は大抵 jazz か bossa nova しか聴かない人間です。Blues はほとんど聴いたことがないのですが、ちょっとだけ興味があります。Robert Johnson の album は持っています。例の crossroad とは、どこなのだろう、と少し思うこともあります。この本では、それらしき crossroad の写真が出ていたりします。その他、Mississippi の blues にゆかりのある地が、きれいな写真で紹介されています。とても興味深く、貴重な本と思えましたので購入しました。