洋書

  • A. Ehrenfeucht, V.W. Marek, M. Srebrny eds.  Andrzej Mostowski and Foundational Studies, IOS Press, 2008
  • Greg Frost-Arnold  Carnap, Tarski, and Quine at Harvard: Conversations on Logic, Mathematics, and Science, Open Court, Full Circle: Publications of the Archive of Scientific Philosophy, vol. 5, 2013
  • Gerard O’Regan  Giants of Computing: A Compendium of Select, Pivotal Pioneers, Springer, 2013
  • Robert Rogers  Mathematical Logic and Formalized Theories: A Survey of Basic Concepts and Results, North-Holland, 1971 (古書)

1つ目の本は Mostowski さんに関する論文集。このような本が出ているとは、最近までまったく知りませんでした。CiNii Books で調べると、国内ではどこも所蔵していないような感じです。本の中は全部で4部構成。第1部は 20世紀の Poland 論理学史とその中における Mostowski さんの位置づけ。第2部は Mostowski さんの仕事に関係したテーマで諸家が論文を執筆。よく名の知られた方々が寄稿されています。第3部は Mostowski さんの著作文献目録。第4部は諸家による思い出の話。差し当たりは第3部の目録が役に立つかもしれない。既刊著作の完全な目録化を目指したようです。
2つ目の本は1940-1941年にCarnap, Tarski, and Quine たちが Harvard に居合わせて、哲学上の議論をした記録とその分析。Carnap がその議論の速記を残しており、Carnap 文庫にあったその速記を通常のドイツ語に起こしたものと、その英訳が本書の後ろ半分すべてを使って掲載されています。前の半分では著者の Frost-Arnold さんによって主に唯名論、分析性、統一科学に関して検討されています。Harvard で彼らが何を話し合っていたのかは、既に次の論文でその一端が明らかにされていますが、

  • Paolo Mancosu  ''Harvard 1940–1941: Tarski, Carnap and Quine on a Finitistic Language of Mathematics for Science,'' in: History and Philosophy of Logic, vol. 26, no. 4, 2005,

この話題に関する monograph としては、本書が初めてであろうと思われます。Preface を読むと、Frost-Arnold さんと Mancosu さんは大体同じころに、問題の Carnap の速記録を見つけたようで (p. xiv.)、Frost-Arnold さんは Mancosu さんにずいぶん助けられたようです。大変貴重な本だと思われます。
3つ目の本は計算機科学者とその先駆者、およびその科学から生まれたIT産業の著名人を解説した本。中項目レベルの人物事典。60名弱を収録。1人につき3-6ページぐらいを使い、写真やイラストを用いて紹介しています。取り上げられているのは Archimedes, G. Boole, Descartes, Leibniz, Babbage, Ada Lovelace, A. Church, Chomsky, von Neumann, Shannon, Turing, Atanasoff, Backus, V. Bush, Hoare, Knuth, McCarthy, Minsky, D. Scott, J. Searle, Shockley, それに Bill Gates, Steve Jobs なども解説されています。珍しそうに思い、かつ便利そうに思いましたので購入。
4つ目の論理学の本は既に持っていますが、もう1つ購入。この本は、命題論理、1階述語論理、2階述語論理、定義の理論、自然数論、実数論、公理的集合論、不完全性、非決定性を説明してます。証明を減らし、練習問題をなくし、一から丁寧に解説して、通読できるようになっています。たぶんこの種の論理学の解説書の中では、かなりやさしい部類に入るのではないかと推測します。清水義夫先生の教科書『記号論理学』、東京大学出版会1984年の記号論理学の参考書紹介ページで、先生はこの本について「記号論理全体の見通しや考え方を学ぶ上で参考になった」と記しておられます (172ページ)。


和書

後者には次の文献が収録されており、

これが読みたく思って購入。1933年とは、Hitler が首相に任命された年、いわゆる「乗っ取り」の年で、その6月は、任命後、約半年経った時点になります。この文献については、例えば次のような記述があります。

ハイデガーが 〔総長就任〕 演説をしたその一ヵ月のち、K・バルトは、神学 〔者〕 に呼びかける本『こんにちの神学的実存』 (Theologische Existenz heute) を書いて、時代の諸権力に同調するな、と訴えた。この書は、激流の時代に反対する精神的抵抗を本気に表明した、最後まで唯一のものであった。*1


和雑誌

以下のPR誌を購入。

ここには次のような講演の記録が収められています。


前号の

には、以下の講演の記録が掲載されていました。

私個人は (下) よりも (上) の方に興味を覚えました。


邦訳講演

  • ディートリッヒ・ボンへッファー  「若い世代における指導者と個人」、『告白教会と世界教会』、森野善右衛門訳、ボンヘッファー選集 6, 新教出版社、1968年

上記 Barth の『神学的実存』という書物は、実際に Hitler に送り付けられた挑戦状であったことは有名みたいですが、この Bonhoeffer の講演も Hitler が危険な男であることを呼びかけたもので、かなり有名なようです。1933年2月1日に行われたラジオ放送の講演が元になっているようです。これは Hitler が首相に任命されて2日後のようです。この放送は生放送だったようで、Hitler に逆らうようなことを思わせる文言が出てくるので、放送中に何度も中断させられたみたいです。そのため、聴取者はところどころ内容が把握できなかったみたいです。放送後、講演の依頼があり、それに合わせてラジオ放送の講演を補足したものを原稿として作成し、それが今回入手した文献になります。以上の情報は『告白教会と世界教会』の412-413, 450-451ページを参考にしています。Barth にしても Bonhoeffer にしても、すごいですね。勇気がいったと思います。1933年5月に某大学で総長就任演説をした者と、二人の B.B. とでは、何が違っていたのだろう? 彼らを決定的に分かつことになったものは、何だったのだろう?

*1:カール・レーヴィット、『ナチズムと私の生活 仙台からの告発』、秋間実訳、叢書・ウニベルシタス 325, 法政大学出版局、1990年、59ページ。'〔 〕' は訳者の補足。