英語文献

  • Richard G. Heck, Jr.  ''Solving Frege's Puzzle,'' in: The Journal of Philosophy, vol. 109, nos. 1-2, 2012 (A Longer Version)
  • ''Book Symposium: What is Analytic Philosophy? by Hans-Johann Glock,'' in: Journal for the History of Analytical Philosophy, vol.2, no. 2, 2013
  • R. D. N. van Riessen  ''Creative Kenosis: Levinas and Christian Theology,'' in Johan de Tavernier, Joseph Selling, Johan Verstraeten, and Paul Schotsmans eds., Responsibility, God and Society: Theological Ethics in Dialogue: Festschrift Roger Burggraeve, Uitgeverij Peeters, Bibliotheca Ephemeridum Theologicarum Lovaniensium, 217, 2008

Heck 先生の Frege 論文が掲載されている JP の vol. 109, nos. 1-2 は Frege 特集号です。昔々の JP には、本当に多くの重要論文が毎号のように掲載されていたようで、昔までさかのぼって有名な論文を色々と copy させてもらいましたが、私見によれば、1980年代終わり頃から、1990年代に入ると、まったく往時の面影のない、見るも無残な状態に陥ったように思われます。もちろん中には熟読に値する論文もあったと思いますが、ごく個人的には、もはや常には注視する気が起きない journal になってしまったと感じています。繰り返しますが、これは完全に個人的な見解です。「いや、重要な論文がいろいろ掲載されている」という意見もあるかもしれません。いずれにせよ、私としては、1990年代以降の JP は見る必要性があまり感じられなかったので、その後、数年に一度ぐらいしか check していませんでした。そういうわけで、久しぶりにちょっと最近の号を確認してみると、何だか JP が盛り返して来ているようで、ちょこちょこ興味深い論文や特集が組まれていることに気が付く。Frege 特集が組まれているとは知りませんでした。振り返って見るに、JP は哲学の中の様々なテーマの論文を掲載してきたと思うのですが、この JP が衰退してしまったのは、その誌名からもわかるように何でも扱ったので、哲学の専門分化傾向から乖離してしまい、この傾向から置いて行かれてしまって、研究者みんなは自分たちの研究論文の掲載によりふさわしい、もう少し読者が特化された journal に投稿するようになったことが原因ではなかろうか、と考えています。しかし本当にそうかどうかは、わかりません。反例もありそうだし…。

Levinas が他者について考えていることは、キリスト教の文脈では kenosis と似ていると言われる。そこで Levinas と kenosis の関係を追っている上記 van Riessen 先生の論文を入手。ただ、今はちょっと読むことができない。精神的に少し参っているところがあるので、kenosis とか substitution などの話は、私の心を強く揺さぶり、とても気が滅入るから無理。私にとって Levinas を読むことは、自分自身の心の奥底に降りていくことになるので、精神が衰弱している時には危ない。
某先生に kenosis について、よい本はないですか、とお尋ねする。自分で調べても、少なくとも日本語と英語では kenosis を主題的に解説した本はあまりないように見える。先生のお返事でも、やはりあまりないとのお話。「でも、Johann Georg Hamann がいいかもしれない、面白いですよ」と、ご教示いただく。そうだったんだ、Hamann ってそういうことを書いているんだ。Hamann は名前しか知らなかったけれど、ちょっと興味深いな。自分の手元に川中子義勝先生の Hamann に関する解説文を持っているので、まずはそれを読んでみようかな。Key word は「へりくだり・謙卑 (Herunterlassung)」みたいです。


邦語文献

1本目は次の本の邦訳。

この英語の本は持っているが、まだ読んでいない。というわけで邦訳を購入しておく。

2本目の雑誌『数学』には、次の論考が載っている。

  • 渕野昌  「特別企画−これから学ぶ人のために− 公理的集合論

Copy するのも面倒なのでそのまま購入。ただし、この論考の full version が、どうやら渕野先生の HP (かどこかの internet 上) で無料で入手できるみたいです。でも、せっかく先生が書かれているのだから、雑誌自体を購入するようお勧め致します。漱石1枚で足りたと思う。(買っておきながら、正確な値段をもう覚えていないのですが…。)