A Legend Never to Has Been Written on Leśniewski

今、次の本をぽつぽつ読んでいるところなのですが、

  • Rafal Urbaniak  Leśniewski's Systems of Logic and Foundations of Mathematics, Springer, Trends in Logic, vol. 37, 2013

Leśniewski に関するちょっと面白い伝説が記されているので、ここで引用してみましょう。何か聞いたことのあるような、あるいは聞いたことがなくても、いかにもありそうな伝説です。

 Leśniewski's criticism of Russell was actually a little bit more complex. Rumour has it that Leśniewski devoted one of his Warsaw seminars to Principia Mathematica.21 It took him (the legend continues) one semester to read one page with his students. Indeed, a distinctive feature of Leśniewski's style is that he always very meticulously (and somewhat uncharitably) tries to reconstruct the view that he is about to criticize. To the best of my knowledge there is no written account of the content of the famous seminar. However, when Leśniewski started publishing his On the Foundations of Mathematics series, the first chapter (included in his 1927) titled ''On some questions regarding the sense of the 'logistic' theses'' was devoted to a criticism of Principia Mathematica.


21 A story I heard from A. W. Mostowski in a discussion. I do not recall seeing the claim anywhere in print.*1

どうも、重箱の隅を突っつくように、こまごまとやっていたようですね。学生も、よくあきらめずに付いて行きましたね。何名生き残ったのだろう? それに、こんな調子じゃあ Principia 全部を読むことなんて、不可能でしょうね。やりすぎだと言えば、やりすぎだと思う。いや、でもここまで徹底的にしなければならなかったのかもしれません。基礎論の時代でしたから。'[Leśniewski] always very meticulously (and somewhat uncharitably) tries to reconstruct the view that he is about to criticize.' これは Grundlagen 前半の Frege みたいですね。あるいはこの Frege を Leśniewski はまねていたのでしょうか? 何せ Leśniewski は Frege を尊敬していたようですから。


PS

上記 Urbaniak さんの本を途中まで読んでいると、ちょくちょく誤植が含まれているのに気が付く。私が気が付いたところでは、今のところ、致命的というようなものにはまだ出会っていないように思われる。どれもささいなもので、丸かっこ開く '(' があるのに、丸かっこ閉じる ')' がないというような、読んでいてすぐにわかる軽微なものがところどころ見受けられる。ただし、一か所だけ、致命的ではないけれど、気を付けないといけない誤植があった。上記の本の p. 81 に Lemma 3.1 があって、そこの式 (e) として '∀p, q ( Φp(q) ≡ Φq(q) )' となっているが、正しくは、'∀p, q ( Φp(q) ≡ Φq(p) ).' 最初の式の右端の 'q' が正しくは 'p' だということです。とはいえこの誤植も、p. 82 にこの式の証明が載っているので、それを読んでいると 'q' が 'p' の誤植だとすぐわかるので、深刻なものではありませんが…。なお、今まで読んだうち、私の知らないところで致命的な誤植が本書には含まれていたのかもしれませんが、幸か不幸か、気付かずにここまで来ました。実際にそのような致命傷がなかったとするなら、それが一番いいのですが…。
それと Urbaniak さんの本を読んでいて感じるのですが、この本は確かに入門書ですね。あまり詳しいところまでは書いていないように思われます。入口のところを軽く説明して次の話題に移って行くというような感じで書かれています。私は Leśniewski の専門家ではありませんが、Leśniewski の専門家の方なら、本書にはちょっと物足りないものを感じるだろうと推測します。が、しかし、これは言い替えると、本書が compact に書き上げられているということで、悪いことではありません。私も悪い気はしません。とても読みやすいです。かつての Luschei 先生の解説書は、みっちりしすぎて読みづらかったですから、それに比べると格段の進歩だと思います。ですので本書は初めから研究書ではなく、入門書だと思って読むといいです。私にはとても勉強になる本です。いろいろ教えられます。またぼちぼち読み進めて行くことにしよう。(なお、言うまでもありませんが、今まで読んだ内容をすべて完全に私は理解している、というのではございません。)


最後に。本日の日記で間違ったことを述べていたり、誤字や脱字などがございましたら、大変すみません。勉強し直します。

*1:この引用文は、註の21も含めて、Urbaniak, p. 66 に出てきます。