書籍

  • 荒畑靖宏、山田圭一、古田徹也編  『これからのウィトゲンシュタイン 刷新と応用のための14篇』、リベルタス学術叢書 第5巻、リベルタス出版、2016年

この本の序論の最後には、編者の三人の先生方によって次のように書かれています。「わが国におけるウィトゲンシュタイン研究の世代交代宣言として本論集を世に問う」(16ページ)。実際、目次を拝見させていただくと、飯田先生も土屋先生も野家先生も丹治先生も野矢先生も、その他、年配のウィトゲンシュタインの専門家の先生は、寄稿されておられないようです。それを見て私は思いました。「この本は飯田先生と土屋先生が編集された『ウィトゲンシュタイン以後』の後継となる本なんだ」と。私はちょっとうれしいです。年配の先生を差し置いて、新しい方々が意欲的な論文集を作られたことを。ただし、年配の先生方の寄稿がよくないと申しているのではございません。一般論としてそろそろ目に見える世代交代が必要かもしれないと思われるということです。とはいえ、12月17, 18日に開催される本書の出版を記念したシンポジウムでは、本書に寄稿されている若手の先生方とともに、飯田先生や野矢先生などの、比較的年長の先生方も研究を発表されるようですが。


論文

  • Seiki Akama and Sadaaki Miyamoto  ''Curry and Fitch on Paradox,'' in: Logique et Analyse, vol. 51, no. 203, 2008
  • Wayne D. Blizard  ''Multiset Theory,'' in: Notre Dame Journal of Formal Logic, vol. 30, no. 1, 1989
  • Wayne D. Blizard  ''The Development of Multiset Theory,'' in: Modern Logic, vol. 1, no. 4, 1991
  • Marc Gasser  ''Structuralism and Its Ontology,'' in: Ergo, vol. 2, no. 1, 2015
  • David Ripley  ''Comparing Substructural Theories of Truth,'' in: Ergo, vol. 2, no. 13, 2015
  • Rohan French  ''Structural Reflexivity and the Paradoxes of Self-Reference,'' in: Ergo, vol. 3, no. 5, 2016
  • Nicholas K. Jones  ''A Higher-Order Solution to the Problem of the Concept Horse,'' in: Ergo, vol. 3, no. 6, 2016
  • Miriam Franchella  ''In the Footsteps of Julius König's Paradox,'' in: Historia Mathematica, vol. 43, no. 1, 2016
  • Graham Priest  ''Old Wine in (Somewhat Leaky) New Bottles: Some Comments on Beall,'' in: The Australasian Journal of Logic, vol. 13, no. 5, 2016
  • Romina Padro  ''What the Tortoise Said to Kripke: The Adoption Problem and the Epistemology of Logic,'' A Dissertation Submitted to the Graduate Faculty in Philosophy, The City University of New York, 2015, <http://academicworks.cuny.edu/gc_etds/603>


書評