K. Menger, Hahn の実証主義とその影響

本日入手した文献

  • Donald Gillies ‘Karl Menger as a Philosopher’

は以下の本のReview Articleです。

  • Karl Menger Selected Papers in Logic and Foundations, Didactics, Economics (1979)

Karl MengerはGodelの先生にして、先輩(確かあの限界効用のCarl Mengerの息子だったと記憶しています)。というわけで、Godel絡みから入手。このReview Articleのintroを眺めてみると、K.Mengerの哲学的立場は一言で言うと典型的な「論理実証主義者」のそれだそうです。あるいは言い換えると彼はMach的な実証主義者だそうです。なるほど。次の本でちょっと調べると

  • John W. Dawson, Jr. Logical Dilemmas: The Life and Work of Kurt Godel

MengerもGodelもHans Hahnの教え子であり、Mengerの方が5年先に博士論文をHahnに提出している(1924年。あるいはこの年に博士号を授与されている。Godelは1929年にHahnに博士論文をapprovedされているようです)。で、Hahnの先生はErnst Machその人である。HahnはMachの哲学を受け継いでいるかのような記述が少しばかりDawson本に見られる(p.26)。だとするとMengerはHahnからMach流の実証主義を継承したのかもしれません。これは上記Reviewのintroの記述を裏付ける事柄だと思われます。しかしそうだとするとHahnのMach実証主義はGodelには何か影響を与えなかったのだろうか? つまり

    • Mach → Hahn → K.Menger

である。では

    • Mach → Hahn → Godel?

あるいは

    • Mach → Hahn → K.Menger → Godel?

Godelの哲学的立場と影響関係をきちっと誠実に調べるためには、HahnやK.Mengerを掘り返さなくてはいけないんでしょうね。大変そうだな。