Wittgenstein
お知らせ 今まで毎月一回、だいたい月末の日曜日に更新を行なってきましたが、今後更新は不定期になるかもしれません。 私の身辺が流動的になってきており、次回から定期的に更新できるか不明です。 もしかするとあまり変わらないペースで更新できるかもしれ…
目次 はじめに 書簡原文および和訳 分析哲学における三つの明瞭さ その一 理論的明瞭さ その二 解消的明瞭さ その三 論理学的明瞭さ Wittgenstein が見ていた明瞭さとは、三つの明瞭さのうちの、どれなのだろうか? Wittgenstein が Tractatus 冒頭に見た明…
目次 Der Gedanke 直訳・逐語訳 勁草版和訳 注目の論証 論証の成否は? 終わりに 前回、Frege が展開している論証をドイツ語原文とその和訳で楽しんでみました。その論証は、どこかあからさまで、身もふたもないところのあるものでした。 今回も同種のことを…
先日、次の本を購入し、 星川啓慈 『宗教哲学論考 ウィトゲンシュタイン・脳科学・シュッツ』、明石書店、2017年 その第1章、「ノルウェーにあるウィトゲンシュタインの「小屋」の跡に立って」を読みました。そこでちょっと感じたことを記します。 星川先生…
ここ最近、とても stressful な日々を送っており、勉強がほとんど進みません。ですが、哲学や論理学の話そのものではないものの、関連する少し面白い話をこの前に読みましたので、今日はそれを紹介してみることに致します。以下では哲学的な議論を展開するの…
この写真に写っているのは次の本です。写真は Bloomsbury UK の home page からお借りしております*1。 F. A. Flowers III and Ian Ground eds. Portraits of Wittgenstein, 2nd ed., 2 vols, Bloomsbury Academic, 2015. 私はこの本を先日購入したのですが…
ついこの間、注文した以下の文献が早速届いた。 Michael Nedo hg. Ludwig Wittgenstein: Ein biographisches Album, C. H. Beck, 2012 前回の2012年9月2日の日記に、この本の表紙写真が載っています。30年ほど前に Michael Nedo und Michele Ranchetti hg. L…
個人的に意外に感じたことを一つ記します。 購入したばかりの次の論文集に Rupert Read, Matthew A. Lavery ed. Beyond the Tractatus Wars: The New Wittgenstein Debate, Routledge, 2011 以下の論文が巻頭論文として収められています。 Warren Goldfarb '…
毎年恒例の古書祭りで、次の古書を購入しました。 G. C. リヒテンベルク 『リヒテンベルク先生の控え帖』、池内紀編訳、平凡社ライブラリー 156, 平凡社、1996年 これは以前からほしいと思っていたものです。なぜほしかったかというと、Wittgenstein の Trac…
(以下のこの話では、標記のような疑問に対し、何か決定的な答えを与えているというものではありません。あらかじめお断りしておきます。) 先日次の文献を購入した。 足立恒雄 『数とは何か そしてまた何であったか』、共立出版、2011年 書店で購入後、café …
先日、次の文献を読んでいると Enzo De Pellegrin ed. Interactive Wittgenstein: Essays in Memory of Georg Henrik von Wright, Springer, Synthese Library, vol. 349, 2011 面白い文章に出会った。その文章を紹介してみようと思います。 それは元々次の…
前回の日記に引き続き、ちょっと面白いと思った Frege の発言を掲げてみます。やはりそこから何らかの哲学的教訓を引き出そうとして、そうする訳ではありません。ただ面白いと思っただけで、深いいみは特段ありません。なお、便宜上、和訳のみから引用します…
以下の話は、次の本の該当箇所を読んで感じたことをまとめてみたものである。 Mark Textor Routledge Philosophy GuideBook to Frege on Sense and Reference, Routledge, Routledge Philosophy GuideBooks Series, 2010, pp. 87-89. 私の話には、例によって…
全く些細なことを一つ。落ちのない話。 しばらく前に、次のような文を読んだことがある。穴というものが私たちの人生や身の回りで、とても身近にあるものでありながら、それがどのようにあるのかを考えてみれば、なかなか答えるのが難しいところがあると述べ…
先日購入させていただいた次の書を拝読していると アレグザンダー・ウォー 『ウィトゲンシュタイン家の人びと 闘う家族』、塩原通緒訳、中央公論新社、2010年 私にはちょっと驚いてしまう記述に出会った。それは Tractatus に見られる aphorism の羅列は、To…
まったく些細なことを一つ。 不勉強なことに私はまったく知らなかったのですが、購入したばかりの アレグザンダー・ウォー 『ウィトゲンシュタイン家の人びと 闘う家族』、塩原通緒訳、中央公論新社、2010年 の、訳者あとがきを読むと、‘Wittgenstein’は、Au…
Da Vinci が Wittgenstein にどんな影響を与えたというのだろうか? そもそも両者に何か関係でもあるのだろうか? あまりなさそうに見えるのだが…。新刊で入手したばかりの以下の本 Nuno Venturinha ed. Wittgenstein After His Nachlass, Palgrave Macmilla…
以下に memo を走り書きします。 2010年2月2日の日記に‘Is Wittgenstein a Logicist?’という項目を書きました。Wittgenstein を Logicist と見なす研究があることに、つい最近まで気が付かなかったことを述べた項目です。その項目で Wittgenstein を Logicis…
Victor Rodych “[Book Review] Pasquale Frascolla. Wittgenstein's Philosophy of Mathematics. London and New York: Routledge, 1994. Pp. viii+189. ISBN 0-415-02483-8 (hb).,” in: Philosophia Mathematica, vol. 3, no. 3, 1995 私は実に不勉強なこと…
ささいなことを一つ。 今日大学生協書籍部で次の新刊を拝見しました。 稲垣良典 『トマス・アクィナス 『神学大全』』、選書メチエ、講談社、2009年 この本を見ていると、そこに一つの写真があった。イタリアの Monte Cassino の修道院の写真である。 私はこ…
岩村聯 『復刊 束論』、共立出版、2009年 (初版1966年) また、数ヶ月後に次の本が刊行される予定になっています。 Enzo De Pellegrin ed. Interactive Wittgenstein: Essays in Memory of Georg Henrik von Wright, Springer, Synthese Library, vol. 348, D…
以下の本を古書として購入。 Michael Nedo und Michele Ranchetti hg. Ludwig Wittgenstein: Sein Leben in Bildern und Texten, Suhrkamp, 1983 Wittgenstein の生涯に関する写真が非常に多く載っている。写真で見る Wittgenstein の生涯といった感じ。 こ…
Ian Hacking “ [Review of] Frege’s Conception of Numbers as Objects. By CRISPIN WRIGHT.,”in: The Philosophical Quarterly, vol. 34, no. 136, 1984 Donald Gillies “ [Review of] Frege’s Conception of Numbers as Objects. By CRISPIN WRIGHT.,” in:…
先日購入した以下の本を拾い読みした。 飯田隆他編 『岩波講座 哲学 3 言語/思考の哲学』、岩波書店、2009年 この本に収録されている次の論文をぱらぱら眺めていると、興味深いことが書かれている。 関口浩喜 「ウィトゲンシュタイン的観点から」 ここでは、…
先日次の本を拾い読みした。 Michael Potter Wittgenstein's Notes on Logic, Oxford University Press, 2009 それによると、Wittgenstein の The Notes on Logic という著作には、いくつかの version, あるいはその元となったいくつかの version があるよう…
上記の入手文献欄で記した Boudewijn De Bruin “Wittgenstein on Circularity in the Frege-Russell Definition of Cardinal Number,” in: Philosophia Mathematica, vol. 16, no. 3, 2008 を読んでいると、とても興味深いことが書かれている。それは私自身…
Francesco Coniglione “The Place of Polish Scientific Philosophy in the European Context,” in: Polish Journal of Philosophy, vol. 1, no. 1, 2007 Peter Simons “Abstraction, Structure, and Substitution: Lambda and its Philosophical Significan…
まったく知らなかったのですが、あのPierre KlossowskiさんはWittgensteinのTractatusとPhilosophical Investigationsを仏訳しておられたのですね。全然知らなかった。ちょっと驚きです。恐らくKlossowskiさんやWittgensteinさんの研究者にはよく知られた事…
上記入手文献1本目の “Letter from L. Wittgenstein to B. Russell, 19.8.1919”, in Brian McGuinness, ed., Wittgenstein in Cambridge: Letters and Documents 1911-1951, Fourth Edition, Blackwell Publishing, 2008 は、かなり有名な書簡だろうと思いま…
2. WittegensteinのTractatusに対して、C. Diamond, J. Conant両氏が展開していると言われるtheraputic readingに関し、このtherapyとは正確に言ってなんだろうと思い、therapyとcounselingの違いについて調べる。 therapyをpsychotherapyのことだとすると、…