Quine
Quine にとって、存在するとは、束縛変項の値であることであり (To be is to be the value of a variable)、変項の値となっていることが在ることとされていますが、ではなぜ変項の値となっていることが存在に関与する (existentially committing) ことになる…
前回の日記では、なぜ Quine は存在量化子を存在に関与するものと見なしていたのか、という疑問について、その答えと思われるものを若干記しました。彼によると存在量化子がなぜ存在に関与しているのかと言うと、論理学の存在量化子が、存在に関して語ってい…
意外に思ったことで、なおかつ私には残念に思ってしまったことを記します。先日、次の本 Graham Priest Towards Non-Being, Second Edition, Oxford University Press, 2016 を拾い読みしていましたら、Priest 先生がこの本の Chapter 18: How the Particula…
ちょっと意外に思ったことを一つ記します。分析哲学を学んだかたなら、次の論文 W. V. Quine ''On What There Is,'' in his From a Logical Point of View, 2nd ed. Revised., Harvard University Press, 1980, this paper was first published in 1948, 邦…
先日、次の文章を copy して読んでみた。 Daniel Dennett ''Quine in My Life,'' in: American Philosophical Quarterly, vol. 48, no. 3, 2011, Special Issue: W. V. Quine Centennial. Dennett さんと Quine さんとの関わりを記した文章です。ちょっぴり…
前回は Quine さんの quasi-quotation, Quine's corners を記しましたので、今回は、ついでに類似の device を記します。'meaning marks', 'meaning quotes' と呼ばれるものです。その説明を、次の文献該当個所から引用し、私訳/試訳を付します。 David Kapl…
先日、わけあって、表現の使用と言及の区別について復習する必要を感じました。そこで初心に帰って改めてその区別について復習してみることにしました。表現の使用と言及の区別を教える本には、いくつかのものがあると思いますが、とりあえず次を読みました…
以前から次の本を購入したいと思っていたのですが、 Francesco Bellucci, Ahti-Veikko Pietarinen, Frederik Stjernfelt eds. Peirce: 5 Questions, Automatic Press / VIP, 5 Questions Series, 2014 先日ようやく入手致しました。本書に対する出版社の hom…
先日 Quine さんに関する本を調べていたら、次のような本が出ていることを初めて知りました。 Antti Keskinen Quine's Critique of Modal Logic and his Conception of Objects, Tampere University Press, Acta Universitatis Tamperensis Series, 2010 こ…
ちょっとしたことを一言。上の写真は、先日、私が入手した本の表紙です。出版社の home page にある写真から拝借させてもらいました。本の書誌情報は以下の通りです。 Frederique Janssen-Lauret, Alan Weir, Gary Kemp eds. Quine and His Place in History…
以下に記しますことは、個人的な memorandum です。表題の疑問に対し、その答えをただ素描するだけのものです。何か original なことを述べたりするものではありません。単によく知られていることを手短にまとめているだけです。加えて以下では Quine さんや…
たぶん大抵の人が興味を持たないことを今日は記します。(「今日も記します」と言うべきかもしれない…。) 以下の話題に含まれる keywords は、Quine, Leśniewski, the singular inclusion ε, the standard of ontological commitment, individuals as unit cl…
前回の日記で説明しましたが、Leśniewski にとり singleton は、その唯一の要素であるもの (object) と等しいのでした*1。言い換えると、Leśniewski はものを、それ自身だけから成る singleton と同一視しています。このように、ものとそのものから成る sing…
今日も些細なことを一つ記します。先日、以下の諸論文を入手致しました。 John P. Burgess ''On a Derivation of the Necessity of Identity,'' in: Synthese, vol. 191, no. 7, 2014, John P. Burgess ''On a Derivation of the Necessity of Identity,'' U…
Dagffin Føllesdal さんが、Quine's Slingshot Argument を、どのように block するのか、そのことを詳しく説明しようと、先日長い文章を書いたのですが、どうも納得がいかないので、申し訳ありませんが、この日記に up することは止めにします。ただ、結論…
前回の日記では、''Føllesdal and Quine's Slingshot Argument at a Glance'' と題して、Føllesdal さんによる Quine's Slingshot Argument の話を聞きました。そこで今回は、Føllesdal さんによって再構成された Quine's Slingshot Argument を実際に見てみ…
先日、次の本を購入した。 Michael Frauchiger ed. Reference, Rationality, and Phenomenology: Themes from Føllesdal, Ontos Verlag, Lauener Foundation for Analytical Philosophy, vol. 2, 2013. それで、ところどころ拾い読みをしていたら、ちょっと…
先日、次の本を購入した。 Willard Van Orman Quine Word and Object, New Edition, Foreword by Patricia Smith Churchland, Preface and the New Edition by Dagfinn Føllesdal, The MIT Press, 1960 / 2013. この本の 1st ed. については、次のような話が…
前回の日記では、京都大学研究資源アーカイブ 映像ステーション*1というところを紹介し、そこで西田幾多郎先生の video clip が視聴できることをお伝えしました*2。そして、この映像ステーションに京都賞ライブラリーという施設が併設されており、例えば受賞…
No Entity without Identity. 早速だが、この Quine の slogan をどのように理解すればよいだろうか*1。その理解の内容を提示する前に、まずそこに含まれる語 'entity' とは、いかなるいみを持っているのか、そのことを確認しておく。OED ではないが、ある辞…
この項目は、2011年8月8日の日記 ''C. I. Lewis' Logic in his ''Implication and the Algebra of Logic'' Collapses into Two-Valued Classical Logic'' の補遺として書かれたものです。 補遺: Quine's Main Criticisms Directed to Quantified Modal Logic…
些細なことを一つ記します。昨日の日記に続き progenitor に関する話。 先日 Bertrand Russell Essays in Analysis, Douglas Lackey ed., Allen & Unwin, 1973 という文献に収録されている論考を入手しましたが、その論考に対して編者が簡単な解説をつけてい…
先日から言及している、Frege の Permutation Argument における Permutation という関数がある。このような関数を使った哲学的議論は Frege 以降にも何人かが行っていて、例えば W. V. Quine, D. Davidson, H. Putnam さんたちがいる。Quine さんにおいて、…
以下の本の中の W. V. Quine Quine in Dialogue, Dagfinn Follesdal and Douglas B. Quine ed., Harvard University Press, 2008 次の文を何気なく読んでいると W. V. Quine “Acceptance Speech for Kyoto Prize in Creative Arts and Moral Sciences,” Firs…
W. V. Quine Quine in Dialogue, Dagfinn Follesdal and Douglas B. Quine ed., Harvard University Press, 2008 この新刊をぱらぱらめくっていると、次のような文があって、とても短い文なので読んでみると興味を覚えた。 W. V. Quine “Books That Mattered…
以下の記述は単なるメモである。大したことは書いていない。 Quineさんによると、Benthamさんはcontext principleのようなものを主張していたらしい*1。 Syncategorematicなwordsのみならず、categorematicなwordsも文脈的に定義し直すことができ、それによ…
W. V. Quineさんの有名な論文に次のものがあります。 W. V. Quine “Five Milestones of Empiricism”, in his Theories and Things, The Belnap Press/Harvard University Press, 1981 ここではempiricismが進展してきた五つの転換点が素描されています。 第…
以下は単なるmemoである。Memoに過ぎない。 Abstraction PrincipleはFregeからRussell, Carnap、そしてQuineへと大きな流れを持っている。 1. FregeはAbstraction Principleの一事例をHume's Principleとして取り上げた。 次の式の前者がAbstraction Princip…
このdictumがQuineさんの著作のどこに出てくるのかは、Quine familyのHPに記されている。 そこを引用させていただく。 LB asks (Feb 16, 2001): where did Quine write No entity without identity the book Ontological relativity and other essays, p. 23…
最近、Caeser Problemをきちんと理解したいと思っている。 ところでCaeser ProblemはHume's Principleから出てくる問題である。 より正確には、再認命題(とその再認命題の内容を与えている表現との同値命題)から出てくる問題であり、 Hume's Principleはその…