Frege

Frege is Not the First who Took the Linguistic Turn in Philosophy, an Influential Scholar Says.

目次 はじめに 分析哲学または言語論的転回の起源 反対意見を述べた文献 文献 (1) の反対意見 文献 (2) の反対意見 文献 (3) の反対意見 感想 お知らせ 今まで毎月一回、だいたい月末の日曜日に更新を行なってきましたが、今後更新は不定期になるかもしれま…

Witnessing a Lingusitic Turn: The Case of Frege's Grundlagen

目次 はじめに §62の背景 ドイツ語原文 既刊邦訳 英訳 仏訳 §62 再検 付録 お知らせ 前回述べたように、今回ブログを更新できるかどうか不安でしたが、何とか更新できました。 しかし、今後は更新が不定期になるかもしれません。あるいはそもそも更新できな…

'Ich finde sie schwer verständlich' or What Kind of Clarity Do the Tractarian Sentences Have?

目次 はじめに 書簡原文および和訳 分析哲学における三つの明瞭さ その一 理論的明瞭さ その二 解消的明瞭さ その三 論理学的明瞭さ Wittgenstein が見ていた明瞭さとは、三つの明瞭さのうちの、どれなのだろうか? Wittgenstein が Tractatus 冒頭に見た明…

In Short, What is the Neo-Fregeanism from a Philosophical Point of View?

目次 序論 Neo-Fregean の問いと答え概要 論文要約前置き 論文各段落要約 1. 哲学的・個人的動機 2. Frege の数学の哲学 3. Neo-Fregean による見取り図 4. 結論 Neo-Fregean の問いと答え再考 疑問点三つ 補遺 注意 このブログでは、研究をしているのではあ…

Reading the Opening and the Ending of the Appendix to Frege's Grundgesetze

目次 後書きの初めと終わり 原文・和訳 後書きの初めと終わりで Frege が最も大事にしていること その最も大事にしていることの背景 語学的付記 注意 このブログでは、何かの研究をしているのではありません。 またこのブログでは、哲学をしているように見え…

The Context Principle in Frege's Begriffsschrift?

目次 Frege's Begriffsschrift (1) Frege's Begriffsschrift (2) Frege's Grundlagen, Einleitung, §§60, 106 Frege's Grundlagen, §62 Frege's Begriffsscrift and Grundlagen Russell's On Denoting 付記 注意 このブログでは、研究や研究の類いや研究の一…

Reading the Famous Correspondence Between Frege and Russell Word for Word

目次 はじめに Russell から Frege へ1902年6月16日第一報 Frege から Russell へ1902年6月22日返信 Russell 書簡補足説明 1 Russell 書簡補足説明 2 Russell 書簡補足説明 3 Frege 書簡補足説明 Frege 書簡補足説明 1 Frege 書簡補足説明 2 Frege 書簡補足…

Why Should the German Word 'Bedeutung' be Translated, not by 'Reference,' but by 'Meaning' in the Fregean Literature?: The Simplest Answer

目次 はじめに 問題の提示 前半 なぜ名前の Bedeutung を「指示対象」ではなく「意味」と訳すのか? 後半 懸案の重要性とは何か? 注意 このブログでは、研究や研究の類いや研究の一端のようなものをやっているのではありません。研究とはまったく関係ありま…

The Argument of the First Two Paragraphs in Frege's ''Über Sinn und Bedeutung''

目次 はじめに 原文 直訳・逐語訳 論証の概観 論証各節の分析 私の解釈の利点と難点 Frege の論証の疑問点 付録 はじめに 名前と、それが表わしているものについて、少し記してみます *1 。 たとえば名前「太郎」が表わしているのは太郎であり、それ以外には…

Professor Frege's Harsh Criticisms Are Too Much For Everyone.

目次 はじめに ことの背景 問題の草稿 草稿の最終刊行バージョン 論争を締める際の発言 偶感を一つ はじめに 前々回のブログでは、Frege によるあからさまで身もふたもない、皮肉を含んだような論証を鑑賞してみました。 そしてそのブログの終わり辺りで、Fr…

Did Wittgenstein Think This Criticism of Frege's Silly?

目次 Der Gedanke 直訳・逐語訳 勁草版和訳 注目の論証 論証の成否は? 終わりに 前回、Frege が展開している論証をドイツ語原文とその和訳で楽しんでみました。その論証は、どこかあからさまで、身もふたもないところのあるものでした。 今回も同種のことを…

Can We Defend Frege's Argument That Natural Numbers Aren't Properties of External Things?

目次 はじめに 1. 数字・数詞は形容詞のように振る舞うので、数は性質であろう 2. Frege の反論「数は性質ではない」 3. Frege の反論「数は性質ではない」に対する反例・反証 4. Frege はまだ生きている (かもしれない) 終わりに 補注 はじめに 前回は、ド…

Sack, Abyss, and Defeat

前回、Dedekind と Frege に少し触れました。その際、次の本を拾い読みさせてもらったのですが、 ・ 足立恒雄 『フレーゲ・デデキント・ペアノを読む』、日本評論社、2013年、 そこに Dedekind と Cantor に関して、興味深いエピソードが書かれていました。…

A Naive Justification of Mathematical Induction

今月は精神的にも肉体的にも、ものすごく疲れました。この疲労困憊した状態はまだ続きそうです。 そこで今日は、ごく初等的なことについて、ほとんど単なるメモを記すだけにさせてもらいます。そして最後に一言、感想を添えて終わりにします。 目次 はじめに…

 Frege's Basic Law V is Inconsistent with Cantor's Theorem: A Proof Phrased in Terms of Injection.

本日は、Frege の基本法則 V が Cantor's Theorem と矛盾することの証明を与えます。Cantor's Theorem の証明は、しばしば全射の写像を使い矛盾を導くことでなされますが、基本法則 V が Cantor's Theorem と矛盾することの証明には、単射の写像を使い矛盾を…

 What Are Meaning Marks? What Are Meaning Quotes?

前回は Quine さんの quasi-quotation, Quine's corners を記しましたので、今回は、ついでに類似の device を記します。'meaning marks', 'meaning quotes' と呼ばれるものです。その説明を、次の文献該当個所から引用し、私訳/試訳を付します。 David Kapl…

 Professor Urquhart, Also, Justifiably Argues That Frege's Grundgesetze System is a logic of Terms.

以下に記すことは、個人的な単なる memorandum です。通説によると、Frege は文/式を名前/単称名と同一視し、そのことによって非難されてきました。この通説を述べている Frege の研究者には Dummett さんがおり、彼は Frege を批判しています。この通説に対…

 To Err is Human.

先日、次の書評を入手し拝読させてもらいました。 八杉滿利子 「書評 フレーゲ・デデキント・ペアノを読む 現代における自然数論の成立」、『数理科学』、2013年12月号、no.606 これは以下の本の書評です。 足立恒雄 『フレーゲ・デデキント・ペアノを読む …

 Who Was the First to Define the Continuity of a Function by the Epsilon-Delta Method Represented in Terms of Mathematical Logic?

(本日の日記は、blog にしては、とても長いです。時間のない方は、読むのを控えたほうがよいかもしれません。) 目次1. はじめに 2. 現代における ε-δ 論法を使った関数の連続性と極限の定義 3. Frege による ε-δ 論法を使った関数の連続性と極限の定義 4. 数…

 A Derivation of the Contradiction in Frege's Grundgesetze System: Professor Michael Resnik's Property Version

酔狂なことではありますが、前回は、Frege の Grundgesetze 体系から矛盾が出てくる様子を、Michael Resnik さんの証明に従いながら見てみました。その証明では所属関係が使われていましたが、今回は所属関係を使わず、性質、属性、概念を使った証明の例を、…

 A Derivation of the Contradiction in Frege's Grundgesetze System: Professor Michael Resnik's Membership Version

ここのところ、anecdotes の類いが続いたので、今度は何回かに分けて形式的な話を記したいと思います。 特に深いいみはないのですが、Frege の Grundgesetze 体系で矛盾が出てくる様を見てみたいと思います。わざわざここで記すまでもなく、この様子について…

 Who Was the First to Discover the Distinction Between Sinn and Bedeutung? Frege? No, No. Alice, Alice Through the Looking-Glass!

先日、次の本を購入しました*1。 Philip E. B. Jourdain ed. The Philosophy of Mr. B*rtr*nd R*ss*ll: With an Appendix of Leading Passages from Certain Other Works, Routledge, Routledge Library Editions: Russell, vol. 6, 1918 / 2013 前々回の日…

 What Problem Did Frege Argue in his "Über Sinn und Bedeutung"? More Precisely, What Problem Is a Great Part of his Most Famous Paper Devoted to? Part 4

以下の内容目次 1. ''Über Sinn und Bedeutung'' の構成面からわかること: 「宵の明星」や「明けの明星」などの単称名の Sinn と Bedeutung の話は、論文全体に対する序論にすぎず、論文の本論は文の分析にある。 2. "Über Sinn und Bedeutung" の本論で行わ…

 What Problem Did Frege Argue in his "Über Sinn und Bedeutung"? More Precisely, What Problem Is a Great Part of his Most Famous Paper Devoted to? Part 3

以下の内容目次 1. ''Über Sinn und Bedeutung'' の構成面からわかること: 「宵の明星」や「明けの明星」などの単称名の Sinn と Bedeutung の話は、論文全体に対する序論にすぎず、論文の本論は文の分析にある。 2. "Über Sinn und Bedeutung" の本論で行わ…

 What Problem Did Frege Argue in his "Über Sinn und Bedeutung"? More Precisely, What Problem Is a Great Part of his Most Famous Paper Devoted to? Part 2

以下の内容目次 1. ''Über Sinn und Bedeutung'' の構成面からわかること: 「宵の明星」や「明けの明星」などの単称名の Sinn と Bedeutung の話は、論文全体に対する序論にすぎず、論文の本論は文の分析にある。 2. "Über Sinn und Bedeutung" の本論で行わ…

 What Problem Did Frege Argue in his "Über Sinn und Bedeutung"? More Precisely, What Problem Is a Great Part of his Most Famous Paper Devoted to? Part 1

以下において、Gottlob Frege (1848-1925) の有名な論文 "Über Sinn und Bedeutung" について、基本的な事柄を確認してみたいと思います。その基本的な事柄とは、この論文全体を通して、Frege は何を行おうとしていたのか、ということです。これから述べる内…

 Why Did Frege Need the Logic of his Gundgeseze, not his Begriffsschrift? Why Did Frege Need the Distinction Between Sinn and Bedeutung?

Alessandro Bandeira Duarte ''Frege May Have Been a Neo-Fregean,'' Manuscript, August 9, 2011 本日は、この文献の内容を報告致します。この文献は論文ではなく、PowerPoint で作った slide のような文献です。但し、単に key word だけを羅列したもので…

 Frege's Horizontal Stroke is Indispensable for his Grundgesetze System.

Grundgesetze der Arithmetik において、いわゆる水平線がないと Frege が困ってしまう理由を以下に記します。この理由は非常に簡単に述べることができるので、個人的にはちょっと驚いてしまいます。なお、以下に述べる理由は、Gregory Landini さんの論文を…

 Does Professor Marco Ruffino's Paper ''Why Frege Would Not Be a Neo-Fregean'' Has a Weakness with an Argument concerning Frege's Reasons for the Acceptance of the Definition of Cardinal Numbers by Means of the Extensions of Concepts?

Marco Ruffino ''Why Frege Would Not Be a Neo-Fregean,'' in: Mind, vol. 112, no. 445, 2003.*1 この論文では、論文表題から推測されるように、Frege が Hume's Principle を公理として受け入れられなかった理由が述べられています。その理由を述べ、根拠…

 On the Significant Points of Professor Alessandro B. Duarte's Manuscript ''On the Rule of Substitution for Functions in Begriffsschrift''

先日、次の文献を拝読致しました。 Alessandro Bandeira Duarte ''On the Rule of Substitution for Functions in Begriffsschrift,'' Manuscript, September 5, 2011, Alessandro Bandeira Duarte ''Frege May Have Been a Neo-Fregean,'' Manuscript, Augu…