Neo-Fregeanism
目次 序論 Neo-Fregean の問いと答え概要 論文要約前置き 論文各段落要約 1. 哲学的・個人的動機 2. Frege の数学の哲学 3. Neo-Fregean による見取り図 4. 結論 Neo-Fregean の問いと答え再考 疑問点三つ 補遺 注意 このブログでは、研究をしているのではあ…
Alessandro Bandeira Duarte ''Frege May Have Been a Neo-Fregean,'' Manuscript, August 9, 2011 本日は、この文献の内容を報告致します。この文献は論文ではなく、PowerPoint で作った slide のような文献です。但し、単に key word だけを羅列したもので…
Marco Ruffino ''Why Frege Would Not Be a Neo-Fregean,'' in: Mind, vol. 112, no. 445, 2003.*1 この論文では、論文表題から推測されるように、Frege が Hume's Principle を公理として受け入れられなかった理由が述べられています。その理由を述べ、根拠…
先日、街を歩いたり、地下鉄に乗ったり、廊下を歩いたりしていた時に、つらつらと考えていたことがある。そしてその過程で個人的にちょっと驚いたことがあった。補足を加えつつ、そのことを今回再構成してみたい。以下で記すことは、今述べたように、歩きな…
いずれも Illative Combinatory Logic 関係です。 Richard B. White “A Demonstrably Consistent Type-Free Extension of the Logic BCK,” in: Mathematica Japonica, vol. 32, no. 1, 1987 Yuichi Komori “Illative Combinatory Logic Based on BCK–Logic,”…
上記の入手文献欄で記した Boudewijn De Bruin “Wittgenstein on Circularity in the Frege-Russell Definition of Cardinal Number,” in: Philosophia Mathematica, vol. 16, no. 3, 2008 を読んでいると、とても興味深いことが書かれている。それは私自身…
岡本賢吾先生は次の本の巻末解説で 岡本賢吾、金子洋之編、『フレーゲ哲学の最新像』、双書 現代哲学 5、勁草書房、2007年 この本に収録されている以下の論文を大変高く評価しておられます*1。 マルコ・ルフィーノ 「フレーゲはなぜ新フレーゲ主義者ではなか…
改めて言うまでもないが、以下に記すことは別段目新しいことではないし、何か深くて透徹した哲学的洞察が示されているものでもない。単なるメモである。 FregeのHume's Principleを用いて、この原理を基数の定義と見なすことにより、第二階の論理を使うこと…
FregeはHume's Principleを、1903年のGrundgesetzeにおいて、定義と見なしただろうか? 少なくともGrundlagenでは、Hume's Principleを定義と見なさなかったのは確かである。 というのもよく知られているように、GrundlagenにおいてHume's Principleを定義と…
(以下の‘Frege's Theorem and Hume's Principle’のsectionは、昨日の日記の再録です。)これから書かれる記述は、かなり大まかなメモです。 Frege's Theorem and Hume's Principle: The point of departure for Frege Renaissance 数学の哲学におけるFrege Re…
以下の記述はかなり大まかなメモです。 Frege's Theorem and Hume's Principle: The point of departure for Frege Renaissance 数学の哲学におけるFrege Renaissanceの起爆剤となった数学的業績には二つあると考えられる。それは次の二つ。a) Frege's Theor…
Hume's Principleの位置付けについて、「おやっ?」と思ったことがある。そのことを記す。 まず次の文献を読むと Roy T. Cook “Introduction”, in his ed., The Arché Papers on the Mathematics of Abstraction, Springer, The Western Ontario Series in P…
以下の文献を読んでいて、興味深く感じたことを一つ、記しておく*1。 Roy T. Cook “Introduction”, in his ed., The Arché Papers on the Mathematics of Abstraction, Springer, The Western Ontario Series in Philosophy of Science, vol. 71, 2008*2 ‘Ne…
上記本日入手のPhilosophy of Mathematics 5 Questionsをcafeで、調子も上がらないしちょっと寒くて集中できないので、何気なくあちこちのページを開いて拾い読む。面白い。 Fregeを勉強しようと思っている人間なので、自然とB. Haleさん及びC. Wrightさんの…
以下は単なるmemoである。Memoに過ぎない。 Abstraction PrincipleはFregeからRussell, Carnap、そしてQuineへと大きな流れを持っている。 1. FregeはAbstraction Principleの一事例をHume's Principleとして取り上げた。 次の式の前者がAbstraction Princip…
本年、12月9日の日記の続き。 Abstraction principleについて、FregeとRussellとでは、大きく異なった捉え方がなされている。両者ではabstraction principleに与える役割が、正反対のように見える。そこで、どう正反対なのかを見てみよう。 Fregeにとってのa…
最近、Caeser Problemをきちんと理解したいと思っている。 ところでCaeser ProblemはHume's Principleから出てくる問題である。 より正確には、再認命題(とその再認命題の内容を与えている表現との同値命題)から出てくる問題であり、 Hume's Principleはその…
個数言明は概念に関する言明であり、概念に関するこの個数言明が真っ当な言明であるためには、その概念がsortal conceptsでなければならないだろうと思われる。 これは個数言明に対するsortalsの一般的な重要性を言っている。 では、Fregean Neo-Logicismを…
以下をつらつら読む。 Kai F. Wehmeier and Hans-Christoph Schmidt am Busch “The Quest for Frege's Nachlass”, in: M. Beaney and E. Reck, ed., Gottlob Frege, Critical Assessments of Leading Philosophers Series, Vol. 1, Frege's Philosophy in Co…
マルコ・ルフィーノ 「フレーゲはなぜ新フレーゲ主義者ではなかったか?」、須長一幸訳、岡本賢吾、金子洋之編、『フレーゲ哲学の最新像』、双書現代哲学 5、勁草書房、2007年 この論文を読んで、Fregeの公理(V)について、ふと思ったことを記す。一息に書き…
このメモでは以下の文献の内容を簡単にまとめます。マルコ・ルフィーノ 「フレーゲはなぜ新フレーゲ主義者ではなかったか?」、須長一幸訳、岡本賢吾、金子洋之編、『フレーゲ哲学の最新像』、双書現代哲学 5、勁草書房、2007年 これは概して論旨明解な論文…
以下は単なるmemoである。FregeはGrundlagenのS. 62で、数の相等性に対する一般的な基準は何かということを述べ、続くS. 63の冒頭でHumeがその基準に言及していると書いている。この基準が‘Hume's Principle’と呼ばれるものであり、式で書くなら以下の通りで…
今日は夜になって、ほんの少し心が軽くなる。そこで以下の論文の初めの部分の内容をわずかばかりメモしておく。 Fraser MacBride “Speaking with Shadows: A Study of Neo-Logicism”, in: The British Journal for the Philosophy of Science, vol. 54, no. …
ここのところ以下の文献をしばしば紐解いているが、 Fraser MacBride “Speaking with Shadows: A Study of Neo-Logicism”, in: The British Journal for the Philosophy of Science, vol. 54, no. 1, 2003 この論文の変わった題名のいみをあまり考えずに読ん…
(以下のnoteには、勘違い・無理解・誤解が多々含まれているはずである。正確を期すためには、詳細な確認が必要である。) Fregeの数学の哲学は2つの要素からなる*1。 (1) Platonism: 抽象的対象が存在するというPlatonism (2) 論理主義: 算術 (自然数論+実数…
飯田隆 「フレーゲと分析的存在命題の謎」、『理想』、第639号、1988年 この論文は今までに2回は読んでいるが、今回改めて読み直してみると、こちらもものすごく面白い。前回まではこの論文をlogicのdemarcation problemに関する論文として読んでいたが、そ…
スターバックスで以下を読む。 Fraser MacBride “Speaking with Shadows: A Study of Neo-Logicism”, in: The British Journal for the Philosophy of Science, vol. 54, no. 1, 2003 この長大なsurveyのうち、初めの三分の一をぐいぐい読む。ものすごく面白…
Fregeが考えていたと後付け的に推測される、数が(対象として)存在するということの論証概略(の概略)*1 (HP: Hume's Principle) Fの数とGの数は同じである iff Fの元とGの元は一対一に対応する (Nx:Fx = Nx:Gx ⇔ F 〜 G) を正しいと仮定する(「〜」は全単射)…
Fregeの論理主義が単なる過去の遺物ではないかもしれないと多くの人が思い始めるようになったのは、 Crispin Wright Frege's Conception of Numbers as Objects, Scots Philosophical Monographs Series, number 2, Aberdeen University Press/Humanities Pr…