Lesniewski
目次 はじめに 逸話のさわりとその情報源の一部 逸話 その一 逸話 その二 一部解説 お知らせ 今まで毎月一回、だいたい月末の日曜日に更新を行なってきましたが、今後更新は不定期になるかもしれません。 私の身辺が流動的になってきており、このまま定期的…
前回に続き、Leśniewski's Ontology の key term 'ε' を理解するのに有用な文章の列挙、part 2. 今回で完結です。 Czeslaw Lejewski ''On Leśniewski's Ontology,'' in: Ratio, vol. 1, no. 2, 1958, reprinted in Jan T. J. Srzednicki, et al. eds., Leśni…
Leśniewski の logic について興味を持っておられるかたは、ほとんど絶無と想像されます。しかし、はやっていてもいなくても、人気があってもなかっても、それでも一応今日も Leśniewski のお話です。Leśniewski の logic はすごいのかどうか、私にはよくわ…
私は、なぜ Frege が Russell Paradox に足をすくわれたのか、その原因究明に関心があります。Frege は自身の論理体系が Russell Paradox に遭遇するとわかった後、すぐにその体系に修正を施しました。これにより、この修正された体系からは、さしあたり、矛…
先日、次の本を古書で購入しました。 Denis Miéville Un développement des systèmes logiques de Stanislaw Leśniewski: Protothétique, Ontologie, Méréologie, Peter Lang, Europäische Hochschulschriften = Publications Universitaires Européennes = …
先日、以下の本を購入しました。 Margaret Cameron and Robert J. Stainton eds. Linguistic Content: New Essays on the History of Philosophy of Language, Oxford University Press, 2015 この論文集の中に、次の論文が入っていました。 Laurent Cesalli…
(昨日の日記の続きです。)5. Leśniewski の方法への批判 (Church, Prior 先生)さて、section の 4. において、Leśniewski の定義の方法とその根拠が簡潔に示されていましたが、当然、その方法に対する批判もあります。次にその批判を見てみます。まず以下を…
(本日の日記はものすごく長いです。長すぎて、字数制限に引っかかり、一日では日記に収まりませんので、今日と明日に分けて記します。本日はその第一日目です。)今回は、Leśniewski の定義のやり方について、記します。現在、私たちが論理学や数学において定…
たぶん大抵の人が興味を持たないことを今日は記します。(「今日も記します」と言うべきかもしれない…。) 以下の話題に含まれる keywords は、Quine, Leśniewski, the singular inclusion ε, the standard of ontological commitment, individuals as unit cl…
Leśniewski は特異な考えを持った論理学者、哲学者でした。彼の特異な考えの一つに、empty class は存在しない、というものがありました。この特異な考えは前回の日記で説明しました。もう一つ、Leśniewski の持つ特異な考えに、singleton は、その唯一の要…
Leśniewski は特異な考えを持っているところがあります。そのような考えの一つに、empty class は存在しない、というものがあります。なぜ empty class は彼にとってないというのでしょうか。この考えは、何か特別な原理から導き出されるものなのでしょうか…
定期購読している journal, History and Philosophy of Logic の最新号が先日届いたので、掲載されている次の論文を少し見ていたら、 Rafal Urbaniak ''Słupecki's Generalized Mereology and Its Flaws,'' in: History and Philosophy of Logic, vol. 35, n…
先日購入した次の本を読み始めたら、 八木沢敬 『神から可能世界へ 分析哲学入門・上級編』、講談社選書メチエ 575, 2014年、 集合が具体的対象ではなく、抽象的対象であることを論証している部分があった。そこを読むと、八木沢先生の言葉をそのまま使って…
ほとんどの方々が Leśniewski の論理学の一つである Ontology を評価されていないと私は推測しています*1。なぜなのでしょうか? 私にはわかりません*2。Ontology は非常に特異な論理学のように見えることが、評価されない理由の一つなのかもしれません*3。…
先日、次の文献を購入し、 Nicholas Griffin and Bernard Linsky eds. The Palgrave Centenary Companion to Principia Mathematica, Palgrave Macmillan, History of Analytic Philosophy Series, 2013, ここに入っている以下の論文を拝読した。 Jan Woleńs…
毎年、その年に入手した文献で、印象に残ったものの名をこの日記で記していますが、今回も2013年中に入手した文献で、個人的に「これはとてもよかった」と思えたものを六つ、以下に掲げてみます。そしてちょっと comment を添えてみます。文献名の掲載順につ…
些細なことながら、個人的にちょっと意外で、少しばかり驚いたことを一つ。 小澤正直先生と言えば、量子力学における不確定性原理をめぐる「小澤の不等式」によって有名な先生です。この不等式に関する新たな事実の発見、確認について、news で報道されてい…
今、次の本をぽつぽつ読んでいるところなのですが、 Rafal Urbaniak Leśniewski's Systems of Logic and Foundations of Mathematics, Springer, Trends in Logic, vol. 37, 2013 Leśniewski に関するちょっと面白い伝説が記されているので、ここで引用して…
Leśniewski またはその解説者によると、空集合 (空クラス) は存在しないという*1。さらに、単元集合 (一点集合、単元クラス、singleton) は、そこに含まれるただ一つの要素に一致するという*2。これは通常私たちが勉強する集合論の常識とは、大きく異なって…
ちょっとした覚え書きを記します。Leśniewski に関する細かい話ですので、興味のない方は pass してください。 当日記2013年8月16日に 'Why Did Leśniewski Investigate into the Singular Sentence 'A ε b' ? Why Did Leśniewski Build his Ontology upon t…
なぜ Lesniewski は単称文 'A ε b' について考察していたのだろうか? なぜ Lesniewski は単称文 'A ε b' を唯一の公理として Ontology を構成したのだろうか?私はこれらの疑問に対して、決定的な答えを持ち合わせている訳ではない。そもそも私は Lesniewsk…
注意: 以下に記すのは、まったくの個人的な備忘録です。調べたことの process を控えておくために net に up しているだけです。何かを主張したり、何かを結論しているものではございません。ほとんどただの引用文の羅列です。Comprehension Principle を、…
(可能であれば、まず当日記の 2012年1月10日 'Even Professor Patrick Suppes Sometimes Nods.' をお読み下さい。左記の日記項目を読まなくても、以下の日記は理解可能ですが、左記の日記項目を初めに読んでおいた方が、よりよいと思います。)先日、次の文献…
Leśniewski の Ontology の、最初に発見された longer version の単一公理 (AO) が、Russell の記述の理論における定冠詞の文脈的な定義式の一例とそっくりであるということを、ここで記してみたい。このことは、既に専門家の先生方にはよく知られています*1…
現代の形式的理論 (formalized theory) において、定義が導入される際に、それらの定義が満たすべき条件として、少なくとも conservativeness (non-creativity) と eliminability の二つがあることはよく知られている。そしてこれらの条件を最初に定式化した…
まず、洋文献。 Rafał Urbaniak and K. Severi Hämäri ''Busting a Myth about Lesniewski and Definitions,'' April 26, 2011, preprint, final version, forthcoming in History and Philosophy of Logic Nuel Belnap ''On Rigorous Definitions,'' in: Ph…
まずは論文など。 Peter Simons ''Essay Review: Discovering Leśniewski: Stanisław Leśniewski, Collected Works, Edited by Stanisław J. Surma, Jan T. Srzednicki and D.I. Barnett, with an annotated bibliography by V. Frederick Rickey,'' in: His…
たまたま次の文献で、若干面白いと感じた文章を見かけたので、下で引用してみます。 Leon Chwistek The Limits of Science: Outline of Logic and of the Methodology of the Exact Sciences, Introduction and Appendix by Helen Charlotte Brodie, Routled…
瑣事を一つ。 第二次世界大戦中の Nazis の侵略により、国を追われた知識人は数多くいます。Europe の東辺りから大西洋を渡って America などの西側に逃れた人々がいました。なかには東回りで America に着いた人もいます。私たちのよく知っているところでは…
先日入手した次の本に載っている Denis Miéville et al. Stanislaw Lesniewski Aujourd'hui, Vrin, Recherches sur la philosophie et le langage 16, 1996 以下の文献を読んでいると、 Czeslaw Lejewski ''Remembering Stanislaw Lesniewski'' 些細なこと…