最近入手した文献を掲げる。

  • Gottlob Frege  Kleine Schriften, Zweite Auflage, Zusammengestellt und herausgegeben und mit Nachbemerkung zur Neuauflage versehen von Ignacio Angelelli, Hildesheim, Georg Olms Verlag, 1990

これでFregeの主だった著作入手(ドイツ語原典)は、後は書簡集完全版のみとなった。しかしこの書簡集の完全版は高いんですよね。普通に注文すると2万円はする。少し間をおいて、体力つけてから購入しよう。

  • Brian Skyrms  “An Immaculate Conception of Modality or How to Confuse Use and Mention”, Journal of Philosophy, vol. 75, 1978

題名邦訳は「様相の無原罪の御宿り、あるいは使用と言及を混同する方法」というところでしょうか。冒頭と結論を読む限り、SkyrmsさんはQuineの様相論理批判に半分同意しつつ、それでいてQuineのように様相論理を打っちゃってしまうのではなく、それを活かし育てていく方途を模索されているようです。論文題名の真意は多分次のようなことと思われる。つまり、様相論理は罪から免れている。罪と見えるところをよくよく突き詰めて見てみると、そこには鋭い洞察があり、利点があるのだ。使用と言及の混同は、角度を変えて見るならば、興味深い帰結を引き出すことができるのだ。かくかようなことを言わんとされているようである。
‘Immaculate Conception of Modality’は‘Immaculate Conception of the Blessed Virgin Mary’という言葉のもじりのようで、義人イエスの母マリアは、人間ではあるものの、義人イエスを生んだその人である限り、人間の生殖に伴って伝えられる原罪をイエスに伝えているはずはなく、そうであるとするとマリア自身が元々彼女の母の生殖に伴って伝えられる原罪を受け継いでいなかったのだ、マリアは彼女の母の胎に原罪から免れて御宿りになられてのだ、という説のようである。

  • 新井仁之  「私の愛する数式:集合の論理式」、  in: 『数学セミナー』、2006年2月号、特集 美しき数式の世界

新井さんの愛する数式として、選択公理を表す式、選択公理の無矛盾性を表す式、選択公理の独立性を表す式が挙げられています。
memo: Cons(ZF) ⇒ Cons(ZF+AC) たとえACから奇妙な帰結が出てこようとも、ZFにACを加えても矛盾は出てこないのだから、ACに問題はない。ACの否定には導かれない。

書物について、より深く理解したい。よって購入。


さらに続くかもしれない…。