• 須長一幸  「シーザー問題の行方」、『科学哲学』、第34巻、第1号、2001年
  • 井上直昭  「シーザー問題」、『科学哲学』、第34巻、第1号、2001年
  • 同上   「C. ライトの戦略はフレーゲの論理主義を確立しているの[で]あろうか」、『科学哲学』、第35巻、第1号、2002年
  • 同上   「シーザー問題と『算術の基本法則』第1巻第10節におけるフレーゲの約定」、『科学哲学』、第36巻、第1号、2003年
  • 三平正明  「フレーゲとベナセラフ : 数とは何かを巡って」、『科学哲学』、第33巻、第2号、2000年
  • 津留竜馬  「フレーゲの無矛盾性証明とラッセルのパラドクス」、『科学哲学』、第33巻、第2号、2000年
  • 小川芳範  「信としての数学 −ヒルベルト・プログラムと超越論的哲学−」、『科学哲学』、第35巻、第1号、2002年
  • 中川大  「初期ラッセルにおける「表示」の概念 −1903〜1904年の草稿を中心に−」、『科学哲学』、第34巻、第1号、2001年
  • 金子洋之  「ブラウワーにおける言語と数学」、『科学哲学』、第34巻、第1号、2001年
  • D. Prawitz  “The Significance of Philosophical Logic”, in: Rosaria Egidi ed., In Search of a New Humanism: The Philosophy of Georg Henrik von Wright, Kluwer Academic Publishers, Synthese Library, vol. 282, 1999
  • “Selected Bibliography [of the Writings of G.H. von Wright]”, in: Rosaria Egidi ed., In Search of a New Humanism: The Philosophy of Georg Henrik von Wright, Kluwer Academic Publishers, Synthese Library, vol. 282, 1999


Frege関係を入手、特にそのシーザー問題関係を中心に確保。
小川先生の論文では、ヒルベルトのプログラムの哲学的側面を練り上げたBernaysが、L. Nelsonの哲学の影響を受け、このNelsonはJ. Friesの影響を受けていて、このFriesはKant哲学を唱導していたということで、論文の副題の通りとなる。今度の火曜か水曜日に発売される岩波の『思想』誌上に、やはり先生の以下のような論文がお目見えすることになっているが、

  • 小川芳範  「数学的理想化と超越論的演繹 −パウル・ベルナイスによる証明論の哲学的補完の試み−」

多分同じ話題をご検討されているのではないかと思われます。来週購入させていただきます。なおBernaysのNelson論、Fries論の英訳は、Bernays ProjectのHPからDL可能となっている。以前に比べてそれぞれの英訳がかなり改訂されているみたいな感じである。

中川先生の論文を読むとRussellの“On Denoting”では、必ずしもdenotingという概念が全面的に放棄されたのではないという話。というのも“On Denoting”以後もdenotingという概念をRussellは積極的に使っているから、という訳。どうやら私がこの論文を読んだ感じでは、おそらく、denoting conceptsがdenotationをdenoteするといういみでのdenotingが放棄された、もしくはそもそもdenoting conceptsが放棄されて、その結果、そのconceptsがdenotationをdenoteするということも、同時に放棄されることになった、というような感じみたいである。中川先生の次の論文も来週の『思想』に掲載されているみたいである。

  • 中川大  「論理的真理は総合的か −ラッセルの論理主義−」


PS. シーザー問題に関して、電車の中で以下を幾分読む。

  • Dirk Greimann  “What is Frege's Julius Caesar Problem?”, in: Dialectica, vol. 57, no. 3, 2003

これは非常にわかりやすい。すごく明解である。まだ全部読んでいないが、かなり勉強になりそうである。Caesar Problemの諸前提が比較的やさしく摘出されている。そもそもこの論文は著者により‘purely exegetical’なものだと言われているので、Caesar Problemを学ぶ際にちょうどよさそうだ。とはいえもちろん著者の解説・まとめが妥当なものであれば、ということではある。Greimannさんには「妥当に決まっているだろ」と怒られそうですが…。