Professor Ida and Neo-Fregeanism

この論文は今までに2回は読んでいるが、今回改めて読み直してみると、こちらもものすごく面白い。前回まではこの論文をlogicのdemarcation problemに関する論文として読んでいたが、そしてそう読むことに全く問題はないが、今日読み直すとこの論文は実にNeo-Fregean Logicismに関する論文だ、ということに今さらながら気が付いた。この論文で先生は、『基礎』でFregeは分析的に真である存在命題を主張しているのではないかとお考えのようですが、Neo-Fregean Logicismによれば、先生のその予想は正しい、ということになる。驚くべきことに…。
先生はこの論文の着想を『基礎』をお読みの際に、おそらく1984年に得られたものと思われますが、この年はC. Wrightの例のFrege対象本が出た翌年である。この本をもってNeo-Fregean Logicismがはっきりと始まったのだとすれば、かなり早い段階で同じような方向性を持った考えを、Wright達とは独立にある程度得ておられてといるということになるのだろうか。それもまたすごいな。