• 溝上武實  『写像選択公理論 有限から無限の世界へ』、横浜図書、2007年

我々の身の回りには関数,写像の言葉があふれている.2次関数や3角関数のグラフ,関数を微分する,積分する,複素関数論,多変数関数論,ベクトル関数等々.この書では,日常的な写像の本質,根源的意味を考える.なぜ数学で,ひいては数学教育で,写像の概念が重要であるかということの理解は,この議論抜きには考えられない.
そのためには写像の“実在性,構成可能性”について深く考えることが必要である.そうすれば,写像の存在は我々人間の“有限性”と無関係ではないことがわかるであろう.結局,“選択公理”抜きには写像の存在は語れないのである.この書では,第3章と第4章においてこれらを詳説している.これがこの書の特徴であるといえる.この他,写像を用いて展開される濃度,順序数,連続性について説いている.また,理解を確認するために多くの演習問題と解答が付けてある.

新刊です。とても求め安い価格ということもあって入手。


PS.
C. Rogersの文を読む。Self-Congruenceについて学ぶ。とても参考になる。