Que sais-je?文庫のcatalogueを見ていると、次のような変わったtitleが出ているのに気づく。
- Olivier Cauly Les philosophies scandinaves, Puf, Que sais-je? 3308, 1998
Le but de cet ouvrage est de permettre la reconstitution d'un paysage philosophique scandinave qui se présente (en France particulièrement) de manière dispersée, afin de mieux situer des figures universellement connues comme, entre autres, Unné, Swedenborg ou Kierkegaard... Cet ouvrage est la première synthèse française sur le sujet qui pourra compléter utilement la traduction des textes des auteurs étudiés.
Table des matières
Chapitre I — Incertitudes de la philosophie (XVIIe-XVIIIe siècles)
Chapitre II — La constitution de l’idéalisme en Scandinavie (1790-1830)
Chapitre III — La seconde époque de l’idéalisme (1830-1860)
Chapitre IV — Orientations de la philosophie contemporaine (XXe siècle)
目次の詳細を見ると、これは北欧全般の哲学の歴史とわかる。デンマークやフィンランドも含まれている。極私的に興味があります。だいぶ前に、P. Edwards ed.のEncyclopedia of Philosophy (published by Macmillan)に載っている北欧哲学の項目を読み、ノートにとって勉強したこともあるし、ウプサラ学派の解説論文や、この間はFinlandの20世紀哲学史のsurveyを読んだりもした。別にKierkegaardが好きというわけでもなく、まったくの個人的趣味である。
しかしマイナーだからとなめていてはいけないと思う。大体欧米中心に哲学を見た場合、日本の哲学より北欧系の哲学の方が、ずっと知られていると思う*1。そして何より近ごろは出口・村上両先生によってSkolemの復権が図られて来ている。気がはやいけど、そのうちSkolemを北欧哲学史のなかに位置づけるという仕事もせねばならないだろう。ちょっとはやすぎるけど…。
というわけでもないが、上記の本を買うかもしれない。EUR 8.00.-とお安いし。でもやはりさすがにまだ上記の本にはSkolemの話は出てきていないようだ。E. Kaila, G. H. von Wright, J. Hintikkaは最後に出てきているみたい。
*1:もちろん「何で西欧中心主義的に哲学を見なければいけないんだ? 欧米で北欧系の哲学の方が知られているからといって、それが何だ、そんなのどうってことない」と啖呵切れる方もおられるかと思う。まぁそれはそうであろう。