鶴見俊輔さん in Harvard

鶴見さんはAmerican Pragmatismを早い時期に日本に紹介された方として分析系の人々にもよく知られていると思います。
私はほとんど読んだことがなかったので知らなかったのですが、鶴見さんはQuine先生の教え子だったんですね。全然知らなくってびっくりした。
上記入手文献から引用します。

わたくしは,15歳から19歳の終わりまでアメリカにいました。その当時,ナチスから逃れてアメリカに亡命した第1世代から第3世代の記号論理学者がいました。わたくしは,記号論理学を創ったバートランド・ラッセルをはじめ,ホワイトヘッド,ファイゲル,カルナップの講義を聴きました。カルナップはわたくしの恩師ですが,1年間ぶっ続きで講義を受けました。第3世代についていえば,講師のクワインがいました。彼は,わたくしのチューターでした。彼はまだ30歳でした。彼は,「ものと言葉との区別ができるのは,世界の論理学者の中で,タルスキーとカルナップと自分だけだ」と言うのです。ラッセルが「測りきれないもの」(インコメンジュラビリティ)という話をしました。彼は,「この問題は,クワイン先生の方がずっと詳しい」と言いました。その時に,わたくしはびっくりしました。日本ではこんな枕を振るわけがないでしょう。ラッセルの名声,社会的地位は,クワインとはまったく違います。記号論理学は,業績によって人を評価するのです。わたくしは,ラッセルの話を聴いてクワインが偉いということがわかったのです。クワインは3,4年前に京都賞を受賞しました。62年ぶりにクワインに会って,「先生こんにちは」といったらびっくりしていました。私は,牢屋に入れられていたからずうっと会えなかったのです。講演の冒頭で「わたくしにとって最初の弟子は日本人でした」というから,わたくしのことをいってるなと思いながら聞いていました(一同,笑)。

似たような話が以下の第1巻にも載っている。

こちらではCh.W. モリスにも教わったと書いてあったと思う。