まず、slingshot argument 関係。

  • Dagfinn Fφllesdal  “Situation Semantics and the “Slingshot” Argument,” in: Erkenntnis, vol. 19, nos. 1-3, 1983
  • Yaroslav Shramko and Heinrich Wansing  “The Slingshot Argument and Sentential Identity” in: Studia Logica, vol. 91, no. 3, Special Issue: Truth Value, Part I, 2009
  • Steven J. Wagner  “California Semantics Meets the Great Fact,” in: Notre Dame Journal of Formal Logic, vol. 27, no. 3, 1986

Fφllesdal さんの論文は、特別に situation semantics に興味があった訳ではなかったので、入手しようとは思わなかったのですが、論文の中をよく見てみると、面白そうでしたので手に入れました。そして大学の、最近できたお洒落な cafe で coffee を飲みながら、短い論文でもありましたので、早速読んでしまいました。Fφllesdal さんによる、slingshot argument の重要性を解説している論文です。ほとんど technical な話は出てきませんので読みやすいです。Situation semantics の話題も初めと最後に少し出てくるだけです。論文の題名から想像するのと異なっています。Situation semantics について、詳しく考察している論文ではありません。Modal logics などの intensional logics の文脈で、slingshot argument を検討することの重要性と、その帰結を極簡略に説明しています。その帰結とは、Fφllesdal さんの持論によると、いわゆる new theory of reference を取るべし、ということになります。この論文は、事柄を略述しているだけですので、詳しくは次の本が役に立つかもしれません。

  • Dagfinn Fφllesdal  Referential Opacity and Modal Logic, Routledge, Studies in Philosophy Series, 2004

これは Fφllesdal さんの Ph.D. Thesis で、1961年の4月3日に、Harvard Univ. の Department of Philosophy に提出されたものです。Thesis Advisor は Quine さんでした。論文本体と共に、その前で自身の論文の概略を示し、論文の後で現時点から見ての修正点を記されています。中を見ると、Quine さんの slingshot argument を勉強しようとされている方には、恐らく必読と思われる記述が見られます。


そのほかに入手した文献。

  • Steven Wagner  “Frege's Definition of Number,” in: Notre Dame Journal of Formal Logic, vol. 24, no. 1, 1983
  • Alonzo Church  “Schröder's Anticipation of the Simple Theory of Types,” in: Erkenntnis, vol. 10, no. 3, 1976
  • 藤川吉美  『記号論理学』、新装新版、1986/2007年

Church さんの論文は前々から入手しようと思っていたものです。先日 FOM の archive を見ていると、type theory の起源について触れている話があり、そこでも述べられていたこの Church さんの論文をちょうどよい機会と思い、今回入手した次第です。