入手文献: Slingshot Argument

再び slingshot argument 関係。刊行順に掲げます。

  • C. I. Lewis  “The Modes of Meaning,” in: Philosophy and Phenomenological Research, vol. 4, 1943-1944
  • Ditto   An Analysis of Knowledge and Valuation, Open Court, The Paul Carus Lectures, 7th Series, 1946, pp. 48-55.
  • Davic Widerker  “The Extensionality Argument,” in: Nous, vol. 17, no. 3, 1983
  • James Levine  “Analysis, Abstraction Principles and Slingshot Arguments,” in: Ratio, vol. 19, no.1, 2006

C. I. Lewis さんの二つの文献は、Davidson さんが以下の本で、

  • Donald Davidson  Truth and Predication, Kevin Sharpe ed., Belknap Press/Harvard University Press, 2008 (First Published in 2005), pp. 39-41, especially p. 39. 邦訳、ドナルド・デイヴィドソン、『真理と述定』、津留竜馬訳、シリーズ 現代哲学への招待、春秋社、2010年、52-54ページ、特に52ページ

slingshot argument の先駆的形態として言及している文献です。正確には、Lewis さんの An Analysis of Knowledge and Valuation に Davidson さんは触れておられます。なお Lewis さんの“The Modes of Meaning”は、氏の An Analysis of … に組み込まれています。そこでこれらを入手して、ざくっと斜め読みしてみました。
正直に感想を述べますと、ちょっとよくわかりませんでした。何だかとても細かい話が展開されています。特に氏の“The Modes of Meaning”は、定義に次ぐ定義で、各定義を note に取り、確認しながら読まないと、すぐにわからなくなります。Note を取らなかったので、今もってよくわかっていません。この論文を読んでいて Russell の The Principles of Mathematics の Denoting の Chapter を思い出しました。この Chapter の印象は、自然言語の文法に過度に固執した論証が展開されて行くというものでしたが、Lewis さんの文献も、ちょうどそんな印象を受けます(これは個人的な主観的印象です)。ですので、読んでいて疲れますし、まるで集中力が続きませんでした。氏の An Analysis of … の方が具体例を中心に話が進んで行くので、まだましです。(とはいえ、わかっていないことに変わりはありませんが…。)
slingshot argument を少しばかり勉強しているので、Lewis さんの上記の二文献は、きちんと読み解く必要があるでしょうが、いささか煩瑣に過ぎるので、今回のように、ざくっと見ただけで、次に行きます。すみません、Lewis 先生。