非常に些細なことを一つ。
次の本を読んでいると、「あれ？ そうなのかな？」と感じることが一つありました。
- Michael Dummett The Nature and Future of Philosophy, Columbia University Press, Columbia Themes in Philosophy Series, 2010
本文を引用します。
Bernard Bolzano (1781-1848) was a great philosopher, and certainly the greatest Czech philosopher − perhaps the only great Czech philosopher. Bolzano was also a great mathematician, as well as a moral and political philosopher and theologian. On a brief visit to Prague, however, I was unable to find a statue or plaque to him, or a street or square named after him. It might be surmised that this was because Bolzano wrote in German, not in Czech; yet Franz Kafka is everywhere celebrated in Prague, and Kafka wrote in German. Possibly Czechs of the present day do not greatly value mathematics or philosophy. *1
Bolzano さんは“perhaps the only great Czech philosopher”と引用文中で言われていますが、Tomáš Masaryk さんなどは、どうなのだろうか、と思いました。但し、Masaryk さんについては、私はほとんど何も知りません。それに思い出してみると、Czech 出身の哲学者ではもっと有名な方がおられます。Husserl さんです。Husserl さんはどうなんだろう？ 更に思い出すと、専門的な哲学者ではないが、哲学的傾向の強い学者として、Czech 出身で有名な方に Gödel さんがおられます。Gödel さんはどうなのだろうか？ Husserl さんも Gödel さんも活躍されたのはチェコ以外の地においてでしたので、二人ともチェコ土着の哲学者・哲学的学者ではないと言えるのかもしれません。そういういみでは Bolzano さんは “the only great Czech philosopher”かもしれませんね。
まぁ、Dummett さんも厳密な哲学史的事実として、Bolzano さんの話を上記引用文においてされている訳ではないので*2、あまり細かいことはいいのですが…。上記の本を読んでいて、「おや？」と思ったので、ここに記してみました。
