定義論読解

定義について学ぶために以下を読む。

  • A.タルスキ 「真理の意味論的観点と意味論の基礎」
  • 同上   「真と証明」

今回再び読んでみて感じたことは、タルスキの真理述語の定義に際しては、いわゆるT型の同値文の個別例において使われている同値記号は、多分少なくとも二つの機能を担わされているのではないか、あるいは二つの側面を持っているのではないかということと、彼の真理述語の定義は、少なくとも二種類の定義を一つにして行なおうとしているのではなかろうか、ということです。このようなことのため、彼の試みに対する私の理解がうまくいかないのかなと思いました。

  • 中戸川孝治 「充足列・定義可能性・実質的十全性: A.タルスキー1931年論文について」

これは私の知りたいこととはまた別のことが書いてありました。その意味で今のところ参考になりませんでした。

フレーゲの定義論の解説です。簡潔明瞭で勉強になりました。要するにフレーゲにとって定義とは、まずは何よりノミナルな定義に他ならないということのようです。

その他に本日読んでいたのは

です。

それと本屋で立ち読みしていて知ったのは、中世ヨーロッパの哲学者が残した書物というものは自分で書いたものではなく、まず口述し、それを写字生だかにロウ版に筆写させ、そして本格的に羊皮紙なんかに書写させ、できあがったものに最後に口述した本人がサインするというようなものだったらしいということです。地域や時代によって差があったでしょうが大体そんな感じみたいです。しかし口述した本人ができた書物は写し間違いが色々あるようで、自分の言った内容と違っていて私の考えを正確に写し出していないと憤慨する哲学者もいたようです。へぇ〜。そうなんだ。