昨日の日記

週末で頭が鈍く痛む。寝込むほどではないがものごとに集中することができない。とりあえず以下の文献を入手するにとどめる。

  • 坂間毅 「ツェルメロ(1930) の集合観」

Introを引かしていただくと次の通り。

カントールによって19 世紀後半から構築された集合論は現代の数学において広範に使用される理論であり、集合論が現代の数学において持つ役割は大きい。しかし周知の通り、集合論が数学においてここまで広範な支持を得るに至った経緯は平坦ではない。この経緯の正確な特徴づけは本論の課題ではないが、ここで押さえておくべきことは、集合論は一つの整合的な考えのもとで構築されたものではなく( そもそもカントール自身の集合観も変遷を持っている)、様々な人が様々な考えのもとで関わった結果出来上がってきたものである、ということである。ゆえに、ことに集合論の場合、それぞれの人の集合観を検討することは大きな意味を持っている。
そのような中で本論が考察するのは、エルンスト・ツェルメロErnst Zermelo (1871-1953) の1930 年の論文「限界数と集合領域:集合論の基礎に関する新たな考察」である。この論文においてツェルメロは集合論という理論がそもそもいかなる数学的対象を扱っているのかを述べている。この論文で述べられたツェルメロの集合観は、その後の集合論に大きな影響を与えているものであり、現在でも検討に値する。
本論の論述は以下のように進む。まず、当該の1930 年の論文の内容を概観する。ついでそれを受けて後に他の人々によって提起された、「反復的集合観iterative conception of set」を取り上げる。そして反復的集合観に対する批判を参照し、その批判点からツェルメロの論文を見直すことによってツェルメロの集合観がどのようなものを目指しているかを検討する。

大変興味深いです。細部は私には難しいものの、また後日勉強させてもらおうかと思います。
なお坂間さんは有用なblogを毎日つけておられ、数学の哲学を勉強されている方々は皆さんご覧になられているのではないでしょうか。まだご覧になられていない方は一度覗いてみられるとよいかと思います。とても役に立つので私も時々覗かせてもらっています。