ちょっとしたこと

ちょっとしたことを二つ。

1.
もうすぐ研究社から『イギリス哲学・思想事典』が出るようですが、イギリス系の某先生に、「先生もお書きになられていますか?」とお尋ねすると、「書いてますよ」とのこと。「でもちょっとねぇ…」と気色有りげなご様子を見せられるので、訳を伺うとふむふむ、なるほど、そうだったのですか、それは少々困りますねぇ、と私もお答えする。しかしこれは本の内容に差しさわりのあることではないので、先生もぜひ読んで下さいと『事典』をご推薦され、私も購入させていただく予定ですと返答する。基本的に買う予定でおります。


2.
今日、現象学系の某先生を実に久し振りにお見かけする。先生には現象学の初歩を教えていただきました。不勉強者ゆえ、そのわずかばかりも体得できていないのですが、とにかくエレベーターでご一緒になった際、「先生は僕のことをもうお忘れでしょう?」とストレートにお聞きすると、「いや、覚えてますよ、えーっと名前は…」と思案されるので、助け舟を出すように名を名乗ると「そうそう、××ゼミでしたでしょ」とずばり正解をお答えになる。びっくりした。まさか覚えていただいているとは、驚きである。次から次へと学生が入学しては、次々卒業していく訳で、皆の名前を覚えることはさすがに不可能だろうに、ちゃんと覚えてくれているなんて、大変ありがとうございます。そういえば思い出しました。大学近くの横断歩道を渡りながら、先生にHusserlPhilosophie der Arithmetikの歴史的位置付け・歴史的評価なんかをお聞きしてましたっけ、そんなこともあったなぁ〜。