最近入手の文献の名を掲げます。

  • Massimiliano Carrara and Elisabetta Sacchi  “Cardinality and Identity,” in: Journal of Philosophical Logic, vol. 36, no. 5, 2007

木星は四つの衛星を持っている」というような数言明は、概念に関する言明である、という Frege の考えがあります。そして Frege のこの考え (Frege's Cardinality Thesis) は identity が概念に相対的であることを含意する (imply) と主張する方がいるようです。この論文は、Frege's Cardinality Thisis が relative identity を含意するということに反論を展開している論文です。First author の HP からも、draft version のようですが、入手可能です。

  • Allan Gibbard  “Contingent Identity,” in: Journal of Philosophical Logic, vol. 4, no. 2, 1975

Identity について論じている研究では、しばしば言及されている論文。そのうち入手しておきたいと思っていた。今回やっと入手。

この二冊もそのうち入手しなければならないと思っていた。今さらながら入手。巻の1は古書。私がよく行く大型新刊書店のいくつかでは、既に店頭から消えている。みすず書房の HP を見ると、品切れのようである。
巻の2も大型新刊書店ではもうあまり見かけなくなってきている。みすず書房の HP では在庫僅少と出ている。
古書店ではしばしば見かける2巻本だが、新刊で確保しておきたいという方は、新刊書店で2巻とも揃っているのを見たら、早めに購入されておいた方がよいかもしれない。(みすず書房さんは時々過去に出した本を復刊されることがあるので、気長に何年も待てば今後とも新刊書店で手に入れることはできるかもしれないが…。)
ちらほら拾い読みすると、面白い。読み出すと切りがない。

  • Leslie Stevenson  “A Formal Theory of Sortal Quantification,” in: The Notre Dame Journal of Formal Logic, vol. 16, no. 2, 1975

ここ数日、sortals と criterion of identity について、考えている。もちろん大したことを考えている訳ではない。
Sortals の特徴付けについては、二つの approaches があるかもしれない。一つは自然言語に見られる sortals (と思われる表現)を観察して、その振る舞い・特徴を一般化・理論化するという方向、もう一つは、我々が sortals に期待する理論的特徴を形式的言語に盛り込んで、一つの logic として確立してやる方向である。Stevenson さんの論文は、この後者の approach に関係してくるかもしれない。そのような訳で入手。また同種の論文として、後日以下の論文も入手する予定。

  • Max A. Freund  “A Complete and Consistent Formal System for Sortals,” in: Studia Logica, vol. 65, no. 3, 2000