次の雑誌を丸ごと入手。
- 『文化學年報』、(吉田謙二先生退職記念論文集)、同志社大学文化学会、第58輯、2009年
吉田先生といえば Russell の認識論の専門家でいらっしゃいますが、この雑誌には先生の著作目録が載っており、そこには次の文献目録
に掲載されていない先生の Russell 研究文献も記載されています。その記載されていない文献が松下さんの HP に載っているかどうかまでは、確認しておりません。
さて、上記の紀要には、分析系・英米系の論文としては、以下のような文献が掲載されています。掲載順に掲げ、1, 2行だけ紹介の文を付しておきます。
- 新茂之 「C. S. パースの存在図形における「論理的可能性」に関する形式的展開の射程」
- 林泰成 「ウィトゲンシュタインの論理的原子論の哲学」
- 下嶋篤 「情報の実在性と可塑性の問題」
新先生の「存在図形」とは、Existential Graphs のことです。この論文では Peirce の abduction を解明しようとされています。Abduction といえば後件肯定の誤謬のことを思いますが、先生によりますと、Aristotle の άπαγωγή としての側面が abduction にはあるということが本質的だそうで、後件肯定の誤謬とだけ abduction を理解するのは、まったく不十分だとのことのようです。これは知りませんでした。私は Abduction ≒ 後件肯定の誤謬 としか理解していませんでした。
林先生の論文では、Wittgenstein と Russell はなぜ論理的原子論の立場を取ったのか(特に Wittgenstein に関しては、なぜ彼は論理的原子論の立場を取っていたと見られるのか)、それによって何を明らかにしようとしていたのか、それは乗り越えられた思想なのだろうか、これらのことが検討されています。
下嶋先生の論文は、情報なるものが実在していると考えた F. Dretske の主張を解明することに関するものです。
次の雑誌も入手。
前者は最新号、後者は、そこに掲載されている論文をいくつか copy していたが、同号に掲載されている以下の論文を拝読したく、雑誌をそのままこの際入手。
- 長岡亮介 「数学史的視点から」
これは abstraction principle に絡んでくる話なので。
この他にも入手した文献があるが、それはまた後日ここに記すと思います。
この後も本を読んで勉強しなければなりませんので。