• 井頭昌彦  『多元論的自然主義の可能性: 哲学と科学の連続性をどうとらえるか』、新曜社、2010年

極度に大雑把にまとめますと、大体ながらこの本で論じられていることは、以下のようにでもなりますでしょうか。
まず、Quine さんの自然主義を分析することを通して、哲学的自然主義の何たるかを明らかにされています。続いて、現在、自然主義に適う存在論的立場として物理主義が一般に提唱されていますが、この立場に対する難点が確認されます。そしてこの難点を克服すべく、「この世における事実とは、物理学が述べる事実に尽きる」として物理学に還元できない事実は事実として認めないという物理主義一辺倒の一元論から、物理学以外の話の中でも述べられていることは、それもまたれっきとした事実であるとし、このような様々な種類のとでも言うべき諸事実を認める多元論的立場の可能性を、寛容の原理などに基付く意味論的諸体系を許す Carnap の論理学に関する哲学の内に、探って行こうとされている本のようです。
少し息の長い文章ですね。間違ったまとめ方でしたら大変すみません。ぱらぱらっとページをめくっただけで、全然読んでいないので、勘違いしている可能性が大いにありますので、正確には直接上記の書籍をお読み下さい。繰り返しますが、よく中を見ずに書いていますので、決して真に受けないようにして下さい。私自身、充分な確信に基付いて記している訳ではありませんので…。
いずれにしましても、用意周到な論証が本文には配されているようであり、その本文に付されている註も結構長くて詳細で、読み応えがあって勉強になりそうです。面白そうなのでまた勉強させていただきます。ありがとうございます。


PS
先日、以下の新刊書を読み終える。

もし可能なら、後日この本の感想をここに手短に記したい。但し例によって些細な内容を書き付けるだけですから、全然難しい話にはならないと思います。


今日はこの辺りでおやすみなさい。