• 須藤靖、伊勢田哲治  『科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す』、河出ブックス 57, 河出書房新社、2013年
  • 西田吾郎  『わかっているようでわからない数と図形と論理の話』、学術選書 61, 京都大学学術出版会、2013年
  • 原亨吉  『近世の数学 無限概念をめぐって』、ちくま学芸文庫筑摩書房、2013年 (初出1975年)

須藤先生は東京大学出版会の PR 誌『UP』で、記事を連載されていたと思います。(今も連載されていると思います。) 今までにいくつか拝読させていただいたことがあります。とても愉快で楽しい先生だと感じました。そんな調子で上記の『科学を語るとはどういうことか』を拾い読みしてみると、本書の須藤先生は、結構おっかなく感じられました。ちょっと怖いです。科学哲学に対して強い不満、憤り、怒り、反感をお持ちのようです。もっと軽やかな、しなやかな方かと思っておりましたが、かなりガチガチな感じがします。私は科学哲学をやっている訳ではありませんが、哲学をやっている人間ですので、科学哲学側の伊勢田先生の話の方に感覚的にはずっと近いです。しかし科学者、物理学者を尊敬しておりますので、物理学者の須藤先生から科学哲学を強く非難されると、ちょっと悲しいです。「そんなに怒らなくてもいいのに…」という感じです。それでも「許さない」と須藤先生はおっしゃるかもしれませんが…。何か誤解しておりましたらすみません。ごめんなさい。