Modern Art, Russ Freeman, Haruki Murakami

以下は、jazz の私的な話です。落ちなどは何もありません。


3月12日木曜日、学食でお昼ご飯をとる。その際、WalkmanArt PepperModern Art を聴きながら食事をする。

お昼の、しかもごはんの最中に、Modern Art を聴くべきなのかについては、異論もあるかもしれませんが、たまたま聴いていたのです。そして聴きながら、「Russ Freeman の piano はやっぱりいいなぁ」としみじみ思っていました。
どうして私が彼の演奏に、こうも魅かれるのか、よくわかりません。何だか彼の演奏は、とつとつとしているというか、後ろ髪を引かれるような感じというか、不思議と何とも言えない気がします。Modern Art の中では、特に 'Diane's Dilemma' の solo がいいです。

別に彼の演奏は jazz piano の歴史を変えてしまうようなものというわけではないのですが、そしておそらく大抵の方々は彼の演奏を特に何とも感じないかもしれませんが、私の心はつかまれてしまうのです。彼の演奏と私の普段持っている気分とが、とてもよく合っているからなのかもしれません。

ちなみにこの日記で検索をかけてみると、10年近く前にも、似たようなことをこの日記で記していました。


さて、その日の夜、部屋に帰って村上春樹さんの期間限定 home page 「村上さんのところ」(http://www.welluneednt.com/) を見てみると、村上さんが自分の部屋の中の写真を up して簡単な説明を加えておられました。その文章の題は

    • 「書斎より 和田誠さんの絵とか」、2015年3月12日、http://www.welluneednt.com/entry/2015/03/12/110013,

です。その文章で村上さんは、自分の部屋の壁にかかっている「和田誠さんとの共著『ポートレイト・イン・ジャズ』に使われた絵」について説明されたあと、次のように写真に写っている光景の説明を続けておられます。

壁の絵の「その下にあるのが10インチと7インチのレコード置き場。もっとずっと左の方まであるんだけど、割愛。見えているのは左からマイルズ、ラス・フリーマン、デクスター・ゴードン/ワーデル・グレイトニー・スコットバディ・デフランコスタン・ゲッツ、ボブ・クーパー。」

それから、以下のように述べておられます。

Leader 作である「ラス・フリーマンの10インチはストックホルムレコード屋さんの「奥の部屋」で見つけました。「奥の部屋」に通してもらうまでに、三日間その店に通わなくてはならなかった。値段はたしか米ドルで80ドルくらい。このへんのウェスト・コーストものはばっちり僕の好みです。」

この記述によると、村上さんは Russ Freeman さんのことがお好きなのでしょうか? 私は、Russ Freeman さんのことが好きな人はそんなにはいないと思っていたのですが*1、村上さんもお好きなのかな?

ただ、Russ のその10 inch の演奏もいいですが、僕個人としては、この leader 作ではなく、誰かの backing をつとめている時の彼の演奏のほうがずっと好きなのです。まぁ、村上さんも、backing している時の Russ の演奏が素敵なことは、きっとご存じでしょうけれど。それに、今後私の好みが変わって、あの leader 作こそが一番いい、と言い出す時がくるかもしれませんが。しかし確かに、あの 10 inch 版の jacket の写真はなかなか素敵ですね。

*1:Freeman さん、すみません。でも、嫌いな人もいないと思いますよ。