Quine's Typewriter

ちょっとしたことを一言。

上の写真は、先日、私が入手した本の表紙です。出版社の home page にある写真から拝借させてもらいました。本の書誌情報は以下の通りです。

  • Frederique Janssen-Lauret, Alan Weir, Gary Kemp eds.  Quine and His Place in History, Palgrave Macmillan, History of Analytic Philosophy Series, 2015.

写真には typewriter が写っていますが、実はこの typewriter は Quine さんが実際に使っていたものだそうです。1927年製の Remington です。裏表紙にそのように書いてあります。しかも、本書の Introduction の p. 4 を見ると、この typewriter のいくつかの key は、通常のものとは違い、普通の人は使わない論理記号に代えられているそうです。確かに、よく見てみると、一番手前の列の、右から二番目の key は、存在記号 ∃ になっており、そのすぐ左の key は連言記号 ∧, そのまた左は条件法記号 ⊃ になっているのがわかります。私も実際、訳あって普段よく電動式の typewriter を使うのですが、その typewriter には論理記号なんて付いていません。自分で使いやすいように改良した typewriter で Quine さんは文章をお書きになられていたのですね。写真を見ながら「これを使って Quine さんは本や論文を書いていたのか…」と感じました。