インド論理学におけるQuineのMcX

先日やはり以下の文献を購入する。

  • 石飛道子  『龍樹造「方便心論」の研究』、山喜房佛書林、2005年

これを今日、拾い読みしていると、Quineの論文“On what there is”に出てきてプラトン的難問を冒頭で語るMcXのなすような発言が上記龍樹作とされる『方便心論』中にも見出される。その原文を石飛氏校訂の漢文で次に記してみよう。自己(我)は存在するか?という疑問について、自己は存在しないという立場に反対しながらMcXは自己は存在すると答え、その理由を述べる…。

由有我故汝破於我、若無我者汝何所破、以有能破故有所破。

この漢訳原文と邦訳は163ページに載っています。大まかに言うと、[汝は我が無いというが]我が有る故に汝は我を否定できるのである、若し我なる者が無ければ汝は何を否定できるというのか、否定あい能うことができるものが有る故に否定される所のものが有るのである。
正確には上記の163ページを参照。今の大まかな読み下しは、私のいい加減な翻訳なので…。


PS. memo: J. Cavailles