• Andrew McFarland, Joanna McFarland, and James T. Smith eds., Ivor Grattan-Guinness fwd.  Alfred Tarski: Early Work in Poland - Geometry and Teaching, with a Bibliographic Supplement, Birkhäuser/Springer, 2014

出版社 home page より、本書の解説文を引用します。

    • Unique compilation of papers from Alfred Tarki's early years as a mathematician and logician
    • Contains material which has previously been inaccessible to mathematicians and historians of mathematics
    • Evaluates and reflects upon Alfred Taski's early writings

This self-contained book focuses on Tarski’s early contributions to geometry and mathematics education, including the famous Banach–Tarski paradoxical decomposition of a sphere as well as high-school mathematical topics and pedagogy. These themes are significant since Tarski’s later research on geometry and its foundations stemmed in part from his early employment as a high-school mathematics teacher and teacher-trainer. The book contains careful translations and much newly uncovered social background of these works written during Tarski’s years in Poland.

Alfred Tarski: Early Work in Poland—Geometry and Teaching serves the mathematical, educational, philosophical, and historical communities by publishing Tarski’s early writings in a broadly accessible form, providing background from archival work in Poland, and updating Tarski’s bibliography.

少し前にこのような本が出ているとは先日までまったく知りませんでした。知ってからあわてて注文して購入。早速なかをぱらぱらのぞいてみると、ものすごく興味深いことが書いてある。そのことについて、たぶんほとんどの方は興味を持たれないと思いますが、個人的には大変興味深いことが書いてあって、ちょっと食い入るように紙面を見てしまった。なお、誤解があるといけませんので、一言述べておきますと、私は別に Tarski 先生の業績に詳しいわけではございません。本書のすべてに興味があるというわけでもございません。まぁ、それはさておき、Tarski さんの業績に関心のある方は必携の一冊だろうと思います。(ただし、まだよく読んでいませんから、本書には誤植、誤記、誤解がたくさんあるかもしれないので、一見する限りでは、その限りにおいて、must な一冊だろうと推測しているということです。) 本書は少し大判のサイズで、(カラー) 写真やイラストの類いもあちこちに載っており、なかなか面白そうです。

  • Roman Murawski  The Philosophy of Mathematics and Logic in the 1920s and 1930s in Poland, translated from Polish by Maria Kantor, Birkhäuser/Springer, Science Networks. Historical Studies, vol. 48, 2014

やはり出版社の home page から、この本の解説文を一部引用します。

The aim of this book is to present and analyze philosophical conceptions concerning mathematics and logic as formulated by Polish logicians, mathematicians and philosophers in the 1920s and 1930s. It was a remarkable period in the history of Polish science, in particular in the history of Polish logic and mathematics. Therefore, it is justified to ask whether and to what extent the development of logic and mathematics was accompanied by a philosophical reflection. We try to answer those questions by analyzing both works of Polish logicians and mathematicians who have a philosophical temperament as well as their research practice.

この本は、刊行されることを前から聞いておりましたので、あわてることなく購入できました。本書は次の Poland 語の本の拡大英訳版です。

  • Roman Murawski  Filozofia matematyki i logiki w Polsce międzywojennej, the Scientific Press of Nicolaus Copernicus University, 2011.

The Lvov-Warsaw School 以前に活躍していた Poland の方々も取り上げられており、貴重と思われます。私の存じ上げない名前の方もおられますが、巻末に簡単な人名事典が付いていて、接近しやすいよう工夫されており、勉強になりそうです。別に分厚い本でもないし、時間的および精神的余裕があれば、全部読んでしまいたいが、学校が始まって忙しいし、ちょっと精神的に疲れているので、どうなるかわからないですが…。

なお、上記2点の英語の本は、どちらも Springer からの本ですが、今後とも Springer からは、logic, history of logic, philosophy of logic, philosophy of mathematics などに関する興味深い近刊書が何点も立て続けに出る予定になっているみたいです。もうご存じの方も多いかと思いますが、例えば近刊書には、Gödel, Henkin, Gentzen, Jean-Yves Béziau, Italian studies in the philosophy of mathematics に関するものが用意されており、刊行されたばかりと思われるものには、constructivity and computability の歴史的哲学的側面を扱った本があるようです。これらのうち、数点のみ、購入しようと思っています。全部は高すぎて私には買えません。買えない本については、そこに載っている論文のみを入手するだけで、済まそうと思います。

ちょっとした辞書みたいに分厚い新刊です。目次を一部省略しつつ掲げます。

第I部 プラグマティズムという言葉の登場


第II部 パースのプラグマティズム

  • 人間に生得的に備わっているとされてきた諸能力についての問い (1868年) パース [既訳あり]
  • 四つの能力の否定から導かれる諸々の帰結 (1868年) パース [既訳あり]
  • 信念の確定の仕方 (1877年) パース [既訳あり]
  • 我々の観念を明晰にする方法 (1878年) パース [既訳あり]
  • プラグマティズムとは何か (1905年) パース [既訳あり]
  • プラグマティシズムの問題点 (1905年) パース [抄訳あり]
  • プラグマティズム (1907年) パース [抄訳あり]


第III部 プラグマティズムの展開

  • アメリカにおけるプラグマティズムの展開 (1925年) デューイ [本邦初訳]
  • 信ずる意志 (『信ずる意志』第1章) (1897年) ジェイムズ [既訳あり]
  • 道徳哲学者と道徳的生活 (『信ずる意志』第8章) (1891年) ジェイムズ [既訳あり]
  • 真理の意味 (1909年) ジェイムズ [一部邦訳あり]
  • 真理に関する提要問答 (1910年) デューイ [本邦初訳]
  • 哲学の回復の必要性 (1917年) デューイ [既訳あり]
  • 自由についての哲学上の諸学説 (1928年) デューイ [抄訳あり]


解題 プラグマティズムの百年後 植木豊
パース、ジェイムズ、デューイ略歴
掲載論文の出典および先行翻訳一覧
プラグマティズム文献案内

とても便利そうな本なので購入させてもらいました。既訳の論文も多数含まれていますが、それらもあちこちの文献に散らばっており、収集するのが面倒ですし、戦前の満州事変の年に訳されたものもあり、それらも今回訳し直されているようで、重要文献が一冊にまとめられ、解説も付いており、大変助かる書籍になっているようです。

この論文では F. P. Ramsey が取り上げられていましたので入手。Ramsey は、彼の論文 ''Universals'' (1925) で、「Particulars と universals を区別できるか」という問いに、'No' と答えているようですが、そのように答える際に繰り出される批判が、Whitehead の形而上学にも差し向けられるということで、このあたりのことを本論文著者の齋藤先生はご検討されているようです。私が誤解していなければ、おおよそ、そんな感じです。実際には、もっと深くて詳しくて若干込み入った話を先生はされておられます。正確には論文をご覧ください。誤解しておりましたら大変すみません。

この本は現在品切れ重版未定のようです。本屋さんによっては、まだ店頭に出ています。首尾よく購入して、ところどころ拾い読みしました。大変興味深いです。考えさせられます。入手できてよかったです。