次の本を読んでいると
55ページに胸迫る言葉がある。
報いを期待しないということが唯一の報いである …
私はこの言葉を読んだ時、すぐに思ったのは『長いお別れ』のマーロウだった。「報いを期待しないということが唯一の報いである」、そのような世界を生きているのが、マーロウではなかったか。
今日、以下の本を買い直す。
- フランソワ・ポワリエ、エマニュエル・レヴィナス 『暴力と聖性』、内田樹訳、ポリロゴス叢書、国文社、1991年
そして訳者の後書きを読み直していると、最後にこうあった。238ページ。
If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.
やはりそうだったか。その通りだ。
報いのないところに、あなたの報いがある。忘恩を生きよ。より大きな忘恩を生きよ。悪くない。それも、悪くない…。