報い: E. Levinas

次の本を読んでいると

55ページに胸迫る言葉がある。

報いを期待しないということが唯一の報いである …

私はこの言葉を読んだ時、すぐに思ったのは『長いお別れ』のマーロウだった。「報いを期待しないということが唯一の報いである」、そのような世界を生きているのが、マーロウではなかったか。


今日、以下の本を買い直す。

そして訳者の後書きを読み直していると、最後にこうあった。238ページ。

If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.

やはりそうだったか。その通りだ。
報いのないところに、あなたの報いがある。忘恩を生きよ。より大きな忘恩を生きよ。悪くない。それも、悪くない…。