Miscellanea
以下は単なるメモである。だからどうというほどのものではない。 次の文献を見る。 戸川孝 「関数」、『哲学』、no. 6, vol. III-1, 哲学書房、1989年 するとこうある。 関数をもとに論理・数学を展開する体系を構築しようという傾向は、H・カリー、チャーチ…
長谷川吉昌 「ヒュームの原理は論理的真理か」、『哲学年報』、北海道哲学会、no.46、1999年 中川大 「フレーゲ的記号法とルイス・キャロルのパラドクス」、『哲学年報』、北海道哲学会、no.49、2002年 岡本賢吾 「「純正なパラドクス」は、なぜパラドクスか…
Lambda calculusについては、なぜlambdaなのだろうと疑問に思っていた。 なぜlambdaなのかについて、その理由はよく知られているようだが、私は知らなかった。 以下の文献の初めの辺りを、先程横になりながらつらつらと読んでいると、その理由が出てきている…
書店店頭で新刊の以下を見る。 A.N.コルモゴロフ他編 『19世紀の数学I ―数理論理学・代数学・数論・確率論―』、三宅克哉監訳、朝倉書店、2008年 論理学の章の目次を掲げる。 1. 数理論理学 数理論理学の前史 ライプニツの記号論理学 述語の限定 ド・モルガ…
Ian Rumfitt “Hume’s Principle and the Number of all Objects”, in: Nous, vol. 35, no. 4, 2001 Alan Weir “Naïve Set Theory Is Innocent!”, in: Mind, vol. 107, no. 428, 1998 James Levine “On the "Gray's Elegy" Argument and its Bearing on Frege…
Chrystine E. Cassin “Russell's Discussion of Meaning and Denotation: A Re-examination”, in E.D. Klemke ed., Essays on Bertrand Russell, University of Illinois Press, 1970 ゴットロープ・フレーゲ 「ルードウィヒ・ウィトゲンシュタイン宛書簡」…
昨日の日記で私はHeideggerさんを反動的モダニストと特徴付けた。 しかしこれは正しくない。 反動的モダニストというのは、私の理解しているところでは、大まかに言うと、伝統に回帰することを通して自身のidentityを取り戻し、最先端のtechnologyを意識的に…
今日、次の本をひも解くと、大変興味深いことが書かれている。ちょっと意外な感じがして驚いた。 三上章 『日本語の論理 −ハとガ』、三上章著作集、くろしお出版、1963年 西洋系統の哲学の勉強をしていると繋辞(copula)の話が出てくる。例えば Plato is a ma…
出たばかりの次の書 中川純男編 『哲学の歴史 第3巻 中世 神との対話』、中央公論新社、2008年 に、以下のような文が載っている。 藁谷敏晴 「ガルランドゥスの論理学」 私は不勉強ゆえ、ガルランドゥスが誰なのかわからないでいた。 藁谷先生の文を読むとこ…
今日、書店で何気なく次のPR誌の目次を見ていたら 『読書人の雑誌 本』、講談社、2008年1月号 以下のような文章がこの雑誌に載っているとわかる。 三中信宏 「生物の樹・科学の樹7 プリンキピア・タクソノミカ」 「プリンキピア」とくれば、哲学ならRussell…
先日林晋先生は田中一之先生が編集された論理学・数学基礎論史の本について、以下のように書評されていた*1。 歴史を公平に見るということは、その我々の現代とまったく異なる世界を、そのまま理解しようと努めることである。それを完全に行なうことは、もち…
Earl Conee and Theodore Sider Riddles of Existence: A Guided Tour of Metaphysics, Clarendon Press, 2005 のChapter 7 Constitution, written by Ted Sider を読んで、その内容の極簡単なまとめを記す。 まとめつつもいくらか敷衍しながらその章の主題…
今日、哲学の先生ではない古典の先生が、Lucretiusにご興味示されるので、「Lucretiusって哲学者なのになぜまたLucretius!?」とご質問すると、先生一喝「Lucretiusは詩人です! 哲学者ではありません!」とおっしゃられる。 「えっ、哲学者ではなかったです…
上記大橋先生の論考内に、こうある*1。‘Neukantianer’の初出。 同年[1862年]11月29日にはベルリンの哲学会でツェラー[Eduard Zeller]のこの講演[「認識論の意義と課題(Uber Bedeutung und Aufgabe der Erkenntnistheorie)」]が検討されたが、その席上、同じ…
昨日の日記に以下のように書いた。 命題論理の完全性が最初に証明されたのはE. Post[1920]によってであると言われることが多かったと思う。 もしかすると今でもそうかもしれない。 しかし実際は上記のBernaysのHabilitationschrift[1918]が最初のようである…
「永遠の相のもとに」と言えば、Spinozaさんです。 このphraseはSpinozaさんのEthicaの中のいくつかの箇所で使われているようです。 例えばそれはEthicaの第2部、定理44、系2に、以下のように現われます。岩波文庫の畠中尚志さんの訳で引きます。 物をある永…
次の文献が出るということは知っていた。 Louise M. Antony ed., Philosophers without Gods: Meditations on Atheism and the Secular Life, Oxford University Press USA, 2007 無神論について論じられている。宗教哲学に関する本である。何人かの哲学者が…
Truthmakerとは何か、その初歩についてここにまとめておく。 1. TruthmakerとTruthmaker Principle 「夏目漱石の本名は、金之助だ」は真である。 とか、 「夏目漱石の本名は、金之助だ」という文が表わしていることは、真である。 とか言うことがある。前者…
本日入手の丹羽先生のご高著をカフェで拝読。The Great Gatsbyのchapterを読む。The Great GatsbyではRolls-Royce Silver Ghostが重要なkey itemとして使われている様が詳説されている。とても面白い。 読んでいてふと気がついた。そういえば、The Long Good…
昨日は以下を入手。 山口誠一 「現代日本と『精神現象学』受容史」、『現代思想 臨時増刊号』、総特集=ヘーゲル 『精神現象学』 二○○年の転回、青土社、2007年7月 これを読んで興味を感じた点を二つ。 AsiaにおけるHegel研究は、まず日本で1878年に始まり、…
イベリア半島のユダヤ人が宗教の弾圧を受けて諸邦へ亡命し、改宗したことにしているユダヤ教徒を‘Marrano’と呼ぶことは、Spinozaが確かそのMarranoであるということで、聞いてはいた。しかしそれは昔の話だと思っていた。 今日ユダヤ系の先生と話をした。先…
先日古典の先生にApuleiusとOvidの変身譚の違いを何気なくお尋ねすると、表現方法の違いですとお答えいただく。 その後、再びお会いした時、わざわざ二つの変身譚の本を取り出してきて、前者が散文で後者が韻文であると、実物を見せて教えていただく。さらに…
Brian Chellas Modal Logic: An Introduction, Cambridge University Press, 1979 5月18日で触れた本です。よく知られた様相命題論理の本。 次の本の Vincent Hendricks and John Symons eds. Formal Philosophy: Aim, Scope, Direction, Automatic Press, 2…
Jouko Väänänen Dependence Logic: A New Approach to Independence Friendly Logic, Cambridge University Press, Series: London Mathematical Society Student Texts, 2007 新刊。2007年2月21日にこの本のdescriptionが書かれています。 この本はIF Logic…
アイザイア・バーリン 「J・L・オースティンと初期のオックスフォード哲学」、『時代と回想』、福田歓一、河合秀和編、バーリン選集 2、 岩波書店、1983年 これは Isaiah Berlin “Austin and the Early Beginnings of Oxford Philosophy”, in: his ed., Essa…
今日はカフェで本日入手した上記の二文献を読む。 Isaiah Berlinが論理実証主義系の言語哲学論文をかつてものしていたことは、この日記の2005年10月6日でも触れた。上に掲げたイグナティエフさんの文は、当時OxfordでBerlinが言語哲学をしていた様子を伝えて…
今日はカフェで読書。 分析哲学・言語哲学の和書を2点、拾い読む。Ordinary Language Philosophyについてお勉強。 そこでふと思ったことがある。別に大したことではない。J.L. Austinの本にSense and Sensibiliaというのがある。『知覚の言語』という名で邦…
今日は色々と読書しました。 以下の文献を入手。 森鴎外 『舞姫・うたかたの記 他三篇』、岩波文庫、岩波書店、1981年 なぜ鴎外なのか? 「舞姫」を読みたかったから。ではなぜ日本人留学生とドイツの一少女との悲恋を描いた「舞姫」なのか?今日本屋さんで…
松澤和宏 「ソシュール解釈の現在 ―「一般言語学」とニーベルンゲン伝説を結ぶもの」、『月刊言語』、2007年5月号、大修館書店 この号に掲載されている 井島正博 「日本語文法から見たソシュール」 の冒頭を見ると、 ソシュールには文法に関する発言がほとん…
以下は単なるメモ。お勉強のために‘esse is percipi’が現われる箇所を岩波文庫から引いておく*1。原註、訳註を指示する添え字はすべてこの際省く。また訳書で傍点を付されているところは太字に代える。 一たい、私たちの思想とか情緒とか或いはまた想像の形…