Frege
(以下の‘Frege's Theorem and Hume's Principle’のsectionは、昨日の日記の再録です。)これから書かれる記述は、かなり大まかなメモです。 Frege's Theorem and Hume's Principle: The point of departure for Frege Renaissance 数学の哲学におけるFrege Re…
以下の記述はかなり大まかなメモです。 Frege's Theorem and Hume's Principle: The point of departure for Frege Renaissance 数学の哲学におけるFrege Renaissanceの起爆剤となった数学的業績には二つあると考えられる。それは次の二つ。a) Frege's Theor…
Hume's Principleの位置付けについて、「おやっ?」と思ったことがある。そのことを記す。 まず次の文献を読むと Roy T. Cook “Introduction”, in his ed., The Arché Papers on the Mathematics of Abstraction, Springer, The Western Ontario Series in P…
以下の文献を読んでいて、興味深く感じたことを一つ、記しておく*1。 Roy T. Cook “Introduction”, in his ed., The Arché Papers on the Mathematics of Abstraction, Springer, The Western Ontario Series in Philosophy of Science, vol. 71, 2008*2 ‘Ne…
本日入手した以下の文献を読む。 Michael Kremer “Review of Gottlob Frege, The Foundations of Arithmetic, Dale Jacquette tr., Longman, 2007.”, in: Notre Dame Philosophical Reviews, 2008.01.07. Fregeを勉強されている方は、この書評を一読されてお…
以下は単なるmemoである。Memoに過ぎない。 Abstraction PrincipleはFregeからRussell, Carnap、そしてQuineへと大きな流れを持っている。 1. FregeはAbstraction Principleの一事例をHume's Principleとして取り上げた。 次の式の前者がAbstraction Princip…
2日前の12月28日の日記で次の文献を入手したと記した。 D. Isaacson, G.P. Baker, S.R. Blamey, and I.P. Rumfitt “Frege’s Foundations of Arithmetic, Bibliography of Secondary Literature”, Mods and Prelims Sample Reading Lists, Faculty of Philoso…
本年、12月9日の日記の続き。 Abstraction principleについて、FregeとRussellとでは、大きく異なった捉え方がなされている。両者ではabstraction principleに与える役割が、正反対のように見える。そこで、どう正反対なのかを見てみよう。 Fregeにとってのa…
以下を拾い読む。 Michael Resnik “Frege and Analytic Philosophy: Facts and Speculations”, in: Hans Sluga ed., General Assessments and Historical Accounts of Frege's Philosophy, Garland Publishers, The Philosophy of Frege, vol. 1, 1993. (Thi…
上記入手文献中のHaaparantaさん論文を電車の中で流し読む。 Frege's Context Princepleをepistemologicalな観点から読もうという論文。そのような観点から読むならば、FregeはKantに近いと述べておられる。この論文の一番最後にこうある。 If the context p…
今日は事実上の休養日。 Cafeで上記入手文献の1本目を読み流す。そして2本目も一部読む。 1本目のabstractで関心を引かれるのはいくつかあったが、中でも一番興味引かれたのは次の二つ。 James Levine “Analysis and Abstraction Principles in Frege and Ru…
昨日今日と、Fregeの再認命題について、つらつらと考える。 次をHume's Principleとする。 N(F) = N(G) ⇔ F 〜 G. これの左辺を、「Hume's Principleにおける再認命題」と呼ぶ。 そしてこのHume's Principleを一般的に表すと以下のようになる。 a = b ⇔ Φ(…
最近、Caeser Problemをきちんと理解したいと思っている。 ところでCaeser ProblemはHume's Principleから出てくる問題である。 より正確には、再認命題(とその再認命題の内容を与えている表現との同値命題)から出てくる問題であり、 Hume's Principleはその…
ここのところ、FregeのHume's PrincipleやCaeser Problemを調べている。 そのような中で、正確に言って、Fregeの言う再認命題とは何なのかをはっきりさせておきたいと感じた。 そこでGrundlagenで、‘wiedererkennen’, ‘wiedererkennbar’, ‘Wiedererkennungss…
昨日の日記では、Fregeのsortalsについての発言を、ドイツ語と日本語と英語で引用した。 誠に酔狂なことだが、ついでに仏訳も以下に引用しておこう。 引用はFregeのGrundlargen, § 54から。 Seul un concept qui délimite précisément les éléments qu'il su…
最近は色々とsortalsについて調べてきたが、元はと言うとFregeのsortalsに興味を持ったからだった。 AristotleやLocke, StrawsonやQuineのsortalsについては、彼らのsortalsに相当する該当箇所をいくつか引用したが、肝心のFregeのものはまだだった。 そこで…
個数言明は概念に関する言明であり、概念に関するこの個数言明が真っ当な言明であるためには、その概念がsortal conceptsでなければならないだろうと思われる。 これは個数言明に対するsortalsの一般的な重要性を言っている。 では、Fregean Neo-Logicismを…
先日次のLandini論文を入手してぱらぱら眺めていた。 Gregory Landini “The Ins and Outs of Frege's Way Out”, in: Philosophia Mathematica, vol. 14, no. 1, 2006 この論文で興味深く感じる点を一つ、簡単に記しておきたい。 この論文は、Russell's Parad…
Kai F. Wehmeier and Hans-Christoph Schmidt am Busch “The Quest for Frege's Nachlass”, in: M. Beaney and E. Reck, ed., Gottlob Frege, Critical Assessments of Leading Philosophers Series, Vol. 1, Frege's Philosophy in Context, Routledge, 200…
以下をつらつら読む。 Kai F. Wehmeier and Hans-Christoph Schmidt am Busch “The Quest for Frege's Nachlass”, in: M. Beaney and E. Reck, ed., Gottlob Frege, Critical Assessments of Leading Philosophers Series, Vol. 1, Frege's Philosophy in Co…
Fregeさんは、真理を文に帰することはできない、と言っています。その理由は至ってシンプルです。その理由を以下に説明してみましょう。 その前にまず、Tarskiさんの見解を見てみましょう。おそらく現在哲学を学ぶ大部分の人が、真理を文に帰するのが当然で…
今日は以下を読む。 中川大 「論理的真理は総合的か −ラッセルの論理主義−」、『思想』、岩波書店、no. 987、2006年 この論文の中で、通りすがりにFregeによる真理定義の不可能性の話が触れられている*1。これはよく知られた話だが、私自身は今の今までほと…
6月9日の日記の続きです。 その日はGrundgesetzeのs. 10を引用してみました。今日はss. 29, 31を引いて、Context Principleらしきものがあるかどうかを見てみよう。 まず、s. 29にはこうある*1。 Ein Eigenname hat eine B e d e u t u n g , wenn der Eigen…
FregeのContext Principleが、彼の後期の著作においても保持されているかどうかということは、長年議論されてきた*1。 マイケル・ダメット 「文脈原理 ―フレーゲ哲学の中心」、岩本敦訳、岡本賢吾、金子洋之編、『フレーゲ哲学の最新像』、双書現代哲学 5、…
数1が、どうしてJulius Caeserでないと言えるのか、についてのFregeの言い分を大雑把にメモ*1。 数は概念の外延として定義でき、つまり数は概念の外延であり、概念の外延は論理学者や哲学者には周知のもので、この概念の外延は、生身の人間であるJulius Cae…
以下をスターバックスでちらほら読む。 Joan Weiner Frege Explained: From Arithmetic to Philosophy, Open Court Publishing, Ideas Explained Series, vol. 2, 2004 近頃寝不足で、今日も日中から眠く、あくびばかりしていてあまり読み進めることができな…
マルコ・ルフィーノ 「フレーゲはなぜ新フレーゲ主義者ではなかったか?」、須長一幸訳、岡本賢吾、金子洋之編、『フレーゲ哲学の最新像』、双書現代哲学 5、勁草書房、2007年 この論文を読んで、Fregeの公理(V)について、ふと思ったことを記す。一息に書き…
このメモでは以下の文献の内容を簡単にまとめます。マルコ・ルフィーノ 「フレーゲはなぜ新フレーゲ主義者ではなかったか?」、須長一幸訳、岡本賢吾、金子洋之編、『フレーゲ哲学の最新像』、双書現代哲学 5、勁草書房、2007年 これは概して論旨明解な論文…
以下は単なるmemoである。FregeはGrundlagenのS. 62で、数の相等性に対する一般的な基準は何かということを述べ、続くS. 63の冒頭でHumeがその基準に言及していると書いている。この基準が‘Hume's Principle’と呼ばれるものであり、式で書くなら以下の通りで…
カフェでつらつら読書しようかと思ったが、寒い。あまり集中できない。ぱらぱらと頼りなげに以下を拾い読む。 田中一之 「序 不完全性定理とその背景」、田中一之編、『ゲーデルと20世紀の論理学3 不完全性定理と算術の体系』、東京大学出版会、2007年 Rober…